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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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父さんとボク

キリ番の報告が無かったのもあり
東雲様が 楽しそうなネタを下さったので
そのネタを題材に作ってみました☆


シオン ぱぱになる!?
みたいなお話(笑)
済みません こんな話しか思いつかなくて…;



自分の父親がアサクロだと教えて貰っていたウォレスは
シオンを見て自分の父親だと思ってしまう?









「ねぇ 母さん
父さん アサシンクロスだったんだよね?
髪の色は何色だったの?」
「あの人は銀色の綺麗な髪だったわよ~
貴方はアタシに似て 緑色だったけどね」

そう 若草色の長い髪をなびかせながら
母は答えた…







「え…?」

アルデバランの時計塔の前
カプラの倉庫を整理していた時に
ウォレスの目の端に銀色の髪のアサシンクロスが写り
慌ててその方角を見ると
確かに漆黒の黒衣を着たアサクロが
日に透けて銀に輝く髪を風に遊ばせ
青い髪のハイプリと並んで
歩いていた

「まさか……」

『あの人は銀色の綺麗な髪だったわ』

母の声が蘇る…
目を見開いたウォレスは急いで倉庫を閉めると
その方角に走りだした



「あ お帰りなさ~い」

ギルドハウスの扉を開けたイクスとシオンは
エプロンをして 手にパイが乗った皿を持っているルティに迎えられた

「ただいま…なんか作ったのか?」
「はいっ アップルパイ作ってみました
丁度3時ですし 一緒に食べませんか?」
「頂くよ シオンも食べるだろ?」
「あぁ…」

シオンも食べると頷かれ
満面の笑みで嬉しそうにルティは頷くと
いそいそと持っていた皿をテーブルで待っているリョウ達の元に運び
キッチンに戻って行き

「随分都合のいい時間に帰って来たのだな…
お前達が帰ってこなければ、私の物だったのに…」

ルティの手伝いをするかの様に
飲みモノを持ってきたディルは
二人が座るカウンターにカップを置いて
ちらりと見やり

「ちげぇだろ?どっちにしろ ルティはオレ達の分は取っておいて
くれてたと思うぞ?優しいからな あいつは」
「そう 私のルティは優しくて可愛らしいのだよ」

恨みがましい目を向けるディルにイクスは優しいと強調して言うと
すぐに嬉しそうに笑みを浮かべて
残りのカップをリョウ達の方に持って行き

「全く…」
「お待たせしました~どうぞ」
「サンキュ」

ため息をついたイクスの元にルティは温かいパイを皿に載せて
二人の前に置いてやる


そんな時だった…


「父さんっ!!」

バァンっと扉が開き 小さなハンター…
ウォレスがいきなり入ってきた

「……はっ?」

メンバーは突然の来訪者と その言葉に全員目を丸くして固まる


「父さんっ!父さんだよねっ!!」

そしてウォレスが走り寄って言って
父さん と呼んだ人物は…


「シオンはん…あんさん 子持ちだったんか…?」

リョウの 信じられないと言う様な声で尋ねられる

そこには アサクロのシオンは非常に珍しく
固まったままウォレスを見下ろしていた…


「ボクっ 貴方の息子のウォレスって言いますっ
あぁ…多分 ボクが生まれた事も知らないかもって
母さんが言ってた…
スナイパーのリリィって名です…
ボクっ…貴方に会いたくって!」

「そーかそーか シオンはんにこないな子供がおったんやなぁ」
「イクスと会う前は 色々してたみたいだしね…」
「ちゃんと認知をしてやらねばならんのではないか?」

「貴様ら…っ!イクス…?」

必死に訴えてくるウォレスに
リョウ アル ディルはそれぞれ少し遠巻きにみながら
好き勝手いい それに青筋を立てながらシオンはその方を睨むが
呆然とする隣のイクスに目が行き
初めて顔を青ざめ

「いや…まぁ オレと会う前なんだから
仕方ない よな…
そっかー…シオンの子供かぁ~…うん よかったな…」
「いやっ!そんなっ…覚えがっ…
いや 無いわけじゃないがっ…
そんな子供出来たとか しらねぇしっ…」

どう言っていいかイクスも分からず
なんとか自分を納得させようと 取りあえず祝福してみるが
シオンは余計に驚き 弁解をしようとするが
身の覚えのある事が過去に多過ぎて
青ざめた顔ですっかり口ごもってしまい


「…えっと ウォレスくん だっけ?
お母さんは?」

緊迫しそうな空気の中
驚きつつ一番冷静だったルティは 
ウォレスを向かい合い 母親の存在を尋ねる

「母さんは 数年前に殺された…」
「ぁ…ご ごめんねっ」
「うぅん…仕方ない事だから…
でも いつか父さんに会えたらって思ってて…
やっと会えた…」

ウォレスの告白を聞くと ルティは申し訳なさそうに謝り
緩く首を横に振ってから頬笑み
そのままシオンの腰に腕を回すと抱きつく

いつもなら いきなり切り捨てる位の事をするシオンだが
さすがにあまりにもいきなりの事に
すっかり青ざめたまま固まって…

「まぁ…シオン 責任とってちゃんと認知してやれよ?」
「イクスっ!?」

イクスまでもが 決定してしまい
シオンは驚いた様な顔を上げる

(どうする…こいつが俺のガキって…
いや 覚えはない訳ではないが…もう 誰を今まで相手にしてきたか
そんな事覚えてないし…行きずりばっかりだし…
第一 こんなガキがいれば イクスと毎日イチャつけねぇしっ
いっその事…殺してっ…)

普段 そんな考えない頭をフル回転して
頭を抱えて必死に考えていたシオンは
とうとう とんでもない考えにまで発展してきた
そんな時
ドアをノックする音がして


「済みません…ウォレス いませんか…?」

そっと控え目にドアが開いて
顔を覗かせてきたのは 長身のアルケミストが声を掛けてくる

「にーちゃん?」
「あぁ ここにいたのか…
クーリィーが外で騒いでいたから 来てみたんだ…」

突然現れた 赤い髪に厳つい顔のアルケミストは
にーちゃんと呼ばれると ウォレスの姿を見て安心したのか
笑みを怖い顔に浮かべて

「突然失礼しました…俺はイルシアって言います
この子の…ウォレスの相方って言うか 友達っていうか…えっと」


自分で相方と言っておきながら照れるイルシアは
それを誤魔化す様に腰を折り
ウォレスの目線に出来るだけ自分を近づけ

「ウォレス この人が父さんだと言うのか?」
「うん だって銀髪のアサクロだって…
そんな銀髪でアサクロなんて 滅多にいないし…」

シオンの服の裾を掴みながら 泣きそうな顔で
ウォレスは聞いてくるイルシアに答える

「えっと…済みませんが 貴方は…」
「シオンだ…」
「シオンさんは歳はいくつでしょうか?」
「26歳だ…」
「そうですか…」

シオンを見上げ イルシアは年齢を聞くと
少し寂しそうに笑みを浮かべて
ウォレスの肩に手を置いて

「ウォレス 残念だがこの人は多分父親ではないよ?」
「なんでっ!?」

ゆっくり諭す様に告げられた言葉に
ウォレスは驚いた様な声を上げて

「お前が生まれた頃 この人は15~16歳位だ…
その歳ならアサシンまではなれても アサクロにはまだなれない…
お前の母さんが会った時には 既にアサクロだった筈だから
この人は 父さんではないよ…」
「…ひっく…父さんって…思ったのに…」

イルシアはゆっくりとした口調で目を合わせ
なぜ父親ではないのかと説明して
それを聞いたウォレスは ボロボロと泣き始めてしまい

「きっといつか 本物と父さんが見つかるよ…」

そう優しく伝え イルシアは腕の中にウォレスを抱きしめてやり…



「大変 お世話になりました…」
「ごめんなさい…」

事が落ち着き ルティの提案でアップルパイと紅茶を頂く事になった
イルシアとウォレスは
シオンを始めとするメンバーに頭を下げて謝り

「えぇねんっ お父さん探してたんやったら仕方あらへんし?
それに ここにおる人も身に覚えがある事してきた…むぐぐっ!!」

謝る二人に なぜかリョウが答え
子供に聞かせる内容ではないと判断したディルが
速攻でリョウの口を手で塞ぎ

「いつか…見つかったらいいな…?」
「うんっ!
シオンにーちゃん 間違えてごめんねっ?
でも ボクの父さんがシオンにーちゃんみたいにカッコよかったら
いいな~」
「……」

イクスから声を掛けられ
ウォレスは嬉しそうに答えながら シオンに謝り
憧れなのか屈託の無い笑顔で言って
パイをぱくつき
シオンは黙ったまま飲み物を口にして



「イルシアはん ウォレスくん
またいつでも来たらえぇよ?」
「ありがとっ リョウにーちゃん」
「済みません…また 来させて貰います」

和やかにその後は色々話した二人は 挨拶をして出て行き
リョウはにこやかに二人を見送り



「シオン ちょっと残念だったんじゃない?」
「そんな訳あるかっ…」

その様子を部屋から見ていたアルは 
相変わらずカウンターに座ったままのシオンを振り返り
少しからかう様に伺うと
シオンは吐き捨てる様にいい
苦虫を噛み潰したように顔を歪めて


「ま…ちょっとウォレスに気分を味あわせてやれて
良かったんじゃないか?」
「イクス…」
「いいじゃねぇか?過去に何があっても
今はオレがいるし お前もオレ一筋だろ?
それに…ウォレスがあんなだと 嫉妬するとかはさすがにねぇよ…
これから先はガキなんか作ったら殺すけどな…」
「お前以外に目が行くはずがないだろうが…
ガキなんて邪魔なだけだ…お前との時間を取られちまう」


カウンターで顔を寄せ合い お互いの想いを口にして
シオンはそのまま抱きしめて イクスの唇を奪い…



「愛してる イクス…」

そう シオンはイクスの耳元に囁いた…










おまけ~


「貴様らっ ルティの前でそんな事をするのではないっ!」

そんな二人に向かって 
ディルからアシッドボトルとファイヤーボトルが投げつけられ
それをイクスを抱えたまま避けるシオンの代わりに
リョウに当たり
暫く大惨事になったとか ならなかったとか…





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  • by 東雲 冴
  • 2012/02/26(Sun)15:26
  • Edit
爆笑しました。シオンって結構弄られキャラですねw頭をフル回転させて行き着く先が殺すかって。流石殺人暴走列車(爆)
さり気にディルがルティ自慢しているわ、ディル過保護っぷり発揮するわで面白かったです。イルシア君が来なかったらどうなっていた事か(笑)
キスの一つでアシデモ攻撃て、貴方ルティにしてるじゃないですか!!! アシデモ食らったリョウの姿が目に浮かぶ。ご馳走様でした。
体調の方ですが、酷くなる前に薬飲んだのが効いてるのか、今の所は大事ないです。お心遣い有難うございました。

東雲様

  • by 月宮
  • 2012/02/26 17:49
こんな感じになってしまいましたが、爆笑して頂き嬉しい限りですw
まさか、シオンがこんな弄られキャラになるとは思わず、よかったのかなぁとか思ってしまいましたが、その分きっとこんな事があったら、イクスの方が冷静なんじゃないかと、こうなっちゃいました(笑)
で、ディルがルティを自慢したり自分の事を棚に上げた愛情っぷりを発揮させたかったという自分の願望も入ってます(コラ
でも、お陰で どうやってウォレスとイルシアをイクス達と知りあわせ様か考えていたので、今回のリクエストはかなり助かりました☆
有難うございましたw
そして 体調が大事ないとの事 何よりです。
でも、出来るだけ安静にして下さいね?

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