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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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バレンタインには貴方と

もうすぐバレンタインって事で
バレンタインイベントも始まった事だし
それに纏わる?小話をつい 書いてしまった…


へタレで積極的ではないリョウに
不安を抱いてしまったアル

その不安から 占いが得意な双月を尋ねてくる…


そんなお話☆









「やぁ 今日は可愛いものを売ってるね」
「あ…いや もうすぐバレンタインだから…
この手が必要になるかな…と…」

露店を見回っていた双月は
やたらチョコやら カカオやらイチゴなどが多く並ぶのに気付き
最近良く訪れる 目つきの悪い無愛想なアルケミストの露店を覗くと
やはりチョコやカカオ 卵やイチゴが並んでおり
彼に尋ねれば
どこか照れた様に歯切れが悪い感じに答えられ
あぁ と頷く。

そうだ もうすぐバレンタインだからかっ
だから妙に女の子達が華やいでるんだ

なんだか双月嬉しくなりながら
露店の邪魔にならない様な場所に腰掛けて
リュートを取り出すと 柔らかく爪弾き歌い始める
勿論 優しげな恋の歌を…


「あの…双月?」

そっと 遠慮がちに名前を呼ばれ 閉じていた目を開き
声のした方向を見る
そこにいたのは…

「やぁ アルじゃないか。どうしたんだい」

ハイウィザードのアルが 少し離れた場所で双月を呼んでいて
双月は弾くのを止めて そこに歩み寄る

「あのさ…双月は バードだけど占いが得意って言ったよね?」
「うん?あぁ 一応 得意かは分からないけど出来るよ」
「占って…欲しい事があるんだ…」

真っ赤になり俯きながらアルから言われた言葉に
小さな眼鏡をかけた奥にある目を 小さく見開き
そして なぜか嬉しそうに笑みを双月は浮かべた。



「ココならそう 誰もこないだろう…」
そう言って フェイヨンの町の少し中心から離れた場所に来ると
草の上に自分のマントを取って広げ
その前に座ると 荷物からタロットカードを取り出す

「さぁ 座って?で なにを占って欲しいのかな?」
「あの…恋占いって…出来ますか?」
「勿論っ 結構得意だよ。
それで…恋人のリョウくんの事かな?」
「あ…っ えと…は はい…
あの…その…僕 このまま リョウと一緒にいれるのかなって…
恋人として 見られてるのかなって…
最近 あまりにもリョウが何にもしてこないし
好きっても 言ってくれなくて…なんか 不安で…」

あっさり恋人を言い当てられ 真っ赤になったアルは
段々占って欲しい事を口にする内に
涙目になってきて
双月の前に座り込んだまま 俯いてしまい

「Okっ 分かったよ?
占ってあげよう?君達の未来を…」

そう言って双月は眼鏡を取ると
マントの上にタロットカードを広げ
ゆっくり広げたカードを何か呟きながら混ぜ始める

「我が目の前にいる者の 運命の輪を見せたまえ…」

そう最後に呟くと カードを集め
今度は何かの図式に合わせていく様にカードを置き
置いたカードを 今度は表に返してゆく
普通の人が見ても まるで分からないカードの絵柄を
アルは涙目になったまま 不安そうに見つめ


「ふむ…なるほど…」
「あ あのっ!なんて出ました!?
僕っ 覚悟は出来てるのでっ…!」
「あははっ 何にも覚悟なんていらないよ~
だってリョウくん 君の事だけが好きだもん」

今にも泣きそうな顔で カードを見ている双月に向かって
言い放つアルに 双月はからからと楽しげに笑い

「リョウくんは 君が知っての通り
単なる 恋愛に奥手なだけだよ
君の事が一番好き…ってより 君の事しか考えてない
ただ ストレートに想いを伝えられないだけだ
だから君は 何も心配なんてしなくていいよ?
そうだねぇ…あえて言う事があれば…」
「な なんでしょうか…?」

双月の言う言葉に 安堵の息を吐き出すアルだったが
重ねて言われた言葉に 顔を不安げに曇らせて

「もうすぐバレンタインだし
その日は君から告白し 誘ってごらん?
ラッキーアイテムは ストロベリーチョコ。
チョコを渡して 君ももっと素直になって…
そうすれば もっとリョウくんは素直に君に言えるんじゃないかな?」
「ぼ 僕から…?」
「そうだよ?
だってバレンタインってそんな日でしょ?
それに…
君達を邪魔する影がある…
互いを想い合っていれば 恐れる事はない事だけど
少しでも そんな面倒は無い方がいいでしょう?」


そう告げられたアルは目を思わず見開き
そして 最近よく一緒に飲む事が多くなった紫苑を思い出し
ぎゅっと拳を握る

「分かりましたっ
僕 チョコを作って リョウに渡しますっ」
「うん それがいいよ
さぁ 帰ろうか?プロに安くでチョコの材料を売ってくれる
露店があるから紹介してあげるよ」

決意を固めた目に 満足そうに双月は頷き
後片付けをすると アルの手を取って立ちあがらせてやり
チョコの材料を安く売ってくれる露店…
アルケミストのイルシアの元に連れてゆくべく
カプラまで共に歩いてゆく



(しかし…紫苑達は仕方ないなぁ…
でも これでリョウくんも 酔わずに告白が出来る様になるかな?)


カードの教えるこれからを思い出しながら
実は旧知の相手である紫苑の行動にやれやれを肩を竦めるも
アルのこれからの行動で リョウがもう少し積極的になればいいと
思いながら 年若いアル達の今後の幸せを小さく祈った。





さぁて 今年はどんなバレンタインになるかなぁ…







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