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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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バレンタインは貴方と

東雲さんが 私が書いたssの続きを書いて下さり
更に そのまま渡して貰ったので
喜んで 早速書いてみました☆

完全に ディル×ルティとなってしまいました…
しかし…
なんかディルが ちょっといぢわるくなった気がする…
人様のキャラをこんなに書いていいだろうか^^;


そして 君達 人が来たらどうすんの?
と 書き終わった後に突っ込んだ(笑)

エロなし キスシーン有






本当にこんな物で喜ぶのだろうか?
私が昔使っていた こんな物を…


ディルは 自分が以前使っていたうさ耳を手にして見つめながら
何度も自問自答を繰り返した
いらない…と 言われた時はどうしようか…
随分悩んでいたが
とうとう Wisにてその相手 ルティを呼び出した…


「ディルさ~んっ」

呼ばれたルティは 殆ど時間が掛かる事なく
姿を現した
ディルから呼ばれる事など殆どない為
白い頬を赤らめ 酷く嬉しそうな顔で駆け寄ってくる


「どうしたんですか?僕を呼んでくれるなんて珍しい…」
「あぁ…済まない…忙しかったかな?」
「いえっ 全然そんな事ありませんっ!
凄く…嬉しかったです…」

急いできたのだろう 少し息を弾ませながらディルの前に来たルティは
ディルに尋ね
少し申し訳なさそうにするディルに
ルティはぶんぶんっと顔を横に振って否定してから
石畳に座るディルの目の前に正座をして
少し俯きながら 顔を赤らめる


「いつも ハーブとかを狩って来てくれるお礼を考えていて…」
「そんなっ!僕 好きでやってるだけだしっ…
それに こないだ酔って 凄い迷惑かけちゃったしっ…
僕こそ 済みませんでした…」

ディルが自分を呼んでくれた理由にルティは慌てて、
深く頭を下げながら謝罪をして…
つい先日 夕飯を奢って貰うだけが 
自分の不注意で酔っ払ってしまい
そのまま一緒に宿に泊まる事になってしまったのだ…
酔ってからの事はまるで覚えていないけど
目が覚めたらディルが隣のベットに居てくれた
それがとても幸せだったのだが
迷惑をかけた事には代わりなく
ディルが目を覚ましてからは 何度となく頭を下げたあの日…

こちらが礼をしなければいけない立場なのに
まさか礼をするなんて言われるとは…


「いや それは気にしなくていい…
でも 人前では酔う事が無いようにね?
…あんな姿 他に見られたくない…」
「え?」
「あ いや こっちの話…」

恐縮するルティに気にしない様に伝え 他では酔っ払う事が
無い様釘を刺しながら 小さな声で思わず本音が出てしまうが
聞こえなかったのがルティは首を傾げて
慌ててディルは誤魔化し カートを漁り

「私が昔使っていたので悪いが
ルティがうさ耳を欲しがっていたって聞きまして…
良ければ 使うかい?」
「え…?いいんですか…?」
「うん もう私は使わないし…出来れば 
ルティに使って欲しいと…言うけど…」
「有難うございますっ!!」

少し申し訳なさそうにうさ耳を差し出すと
ルティは驚いた様に 大きな瞳を丸くして
少し口籠るディルに反して 元気に礼を言って受け取り

「すっごく嬉しいですっ
有難うございますっ」

満面の笑みを浮かべ 頬を赤く染めて
心底嬉しそうにうさ耳を抱きしめるその姿を見て
ルティが自分を好きだと言う事
そして シオンが言ってた事が
本当だったと思い知り 

「に 似合います…か?」

自分が使っていたうさ耳に喜ぶルティに嬉しさと
そして 本当にいいのかと 自分へと問いかけに
一瞬思考が止まってしまったディルであったが
遠慮がちに うさ耳を着けてこちらを伺う姿に
思わず目を奪われる

まるでそう 雪うさぎの様な可愛さと儚さと…
白い頬を染めてこちらを見る瞳は
誘うかの様に艶やかで
上目遣いにこちらを伺う姿は
知らなかった 男の独占欲や征服欲を目覚めさせる…
思わず ごくりと生唾を飲み込む

「あぁ 似合いますよ…とても 可愛い」
「有難うございますっ」

なんとかその欲望を押さえ いつもの通り笑顔で頷き
ルティは嬉しそうに笑みを深めて
うさ耳を着けたまま触り 感触をひとしきり楽しむ

「そうだ…ちょっと早いとは思ったんですけど…
これ 貰ってくれませんか?」
「これは…チョコレート?」
「はい もうすぐバレンタインだから…
自分で材料集めて…作ってみたんですが…」

そう 取り出してディルの前に差し出したのは
バレンタインの包装をされた 小さな箱

「有難う 頂くよ」

そう言って受け取り なんとも蕩ける程に
嬉しそそうな笑みを浮かべたルティに釣られ笑みを浮かべ
包装を綺麗に剥がし 中から出てきたのは
1個ずつラッピングされた小さなチョコレート

「大きいと ディルさん食べ辛いかなぁって思って
小さなチョコの作ってみたんです…
良ければ 食べて下さい」
「ねぇ…ルティ
どうして 私にチョコをくれるの?」

嬉しそうにこちらを見るルティの顔を上から覗き込む様に見つめ
その銀の瞳を捉え
ゆっくりした口調で尋ね

「あ…え?あのっ その いつも お世話になってるし…」
「それだけ?」
「えと あのっ…」
「本当に お礼ってだけのチョコなの?」

酷く甘美な優しい声
全てを見透かす様な 甘さを含んだ瞳
こんな彼はしらない…
全てを奪われる…

「ディルさんが…好き だから…
初めて 会った時から…
僕 ディルさんが大好きでしたっ」

耳まで真っ赤にして 俯きながら膝に置いた手を強く握りしめ
たどたどしい言葉で 愛の告白をする
小さく震える 子うさぎの様…

「そうか…」

小さく それだけ呟くとディルはチョコの包みを一つ剥がし
自分の口に入れる

「ディル…さん?」
「とても美味しいよ?ルティ?
君も味見するかい?」
「え…?っ…!?」

何も答えてくれない事に 呆然とルティは見上げ
見る見る間に目に涙を溜める相手に
チョコを食べながらディルは頬笑み
そして…
その細く白い顎に指を絡めると唇を塞ぎ
あまりの突然の事に目を見開いたまま動けないルティをいい事に
重ねた唇から舌を伸ばし
相手の歯列をあっさり舌先で割ってしまうと
口腔へと舌を忍ばせ
小さく温かな舌を絡ませて…

「ふっ…んっ…」

びくりと震える小さな体を包み込む様に背中に腕を回し
抱き寄せながら、けして激しくない
それでも 全てを絡み取られそうなほど甘い口づけをしてやる様に
チョコ味になった舌で ルティの舌を絡め取って吸い上げ
やっと唇を離し
力の抜けてしまったルティの顔を自分の胸元にもたれかけさせ…




「…貴方は私の者…
例え、私が居なかった過去に何があったとしても、
これから何があったとしても……貴方は私の傍に居て下さい

それが 私の答えです…」





そう 静かに告げられた 言葉…
ぼろぼろと 銀の瞳から涙をこぼす子うさぎは
ようやく自分の居場所を見つける

腕を伸ばし ディルの首に腕を回して抱きつくルティは
小さく その耳元に囁く…



「僕を 貴方だけの者にして下さい…」














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