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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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貴方に会いたくて…

なんだか ディルさんが大好きなルティ
ディルに会いたい口実に 
せっせと ハーブを集めています
やっと集めたハーブを 大好きなディルさんに会いに行きます☆


ディル×ルティ  としたい所だけど
まだまだそんな関係ではありません(笑)

でも ルティの過去が少しずつ明らかになるかな?









「結構溜まったかな…」

荷物袋一杯に溜まった 黄・青・白のハーブを見て
ルティは笑みを深めた
殴りアコであるルティは 経験値を上げる狩りをしながら
ハーブを集めるのが日課である
時には ハーブがメインになる事さえあるが…
理由は勿論 クリエイターのディルに会う口実を作る為である
ハーブや製薬に必要な物などがドロップする場所を選び
それを集める
そうする事でディルが買い取ってくれる

なにより ディルに堂々と会えるから…
それだけで ちょっと大変な狩場でも頑張れる

「ルナティックがハーブとか製薬に必要な物をドロップしてくれたら
いいんだけどな~…
中々…やわらかな毛が集まんないや…
せいぜい 赤ハーブだもんなぁ…」

頭装備にウサギ耳が欲しいとは思ってはいるのだが
どうしても、製薬に必要な物ばかり狙ってしまう為
中々材料を集められない自分に苦笑しつつ
それらを持ってポータルを開き
アルデバランのディルがよくいる場所へと足を運ぶ


そこに愛おしい人はいた
人気の無いベンチに腰掛け 何やら書物を読んでいるらしい

「ディルさ~んっ」

逸る気持ちを抑えきれず ルティは手を振って走り寄る

「やぁ ルティ
今日もハーブを届けてくれたのですか?」

その声にディルは書物を閉じて
笑みを浮かべて迎えてやる

「はいっ 結構取れましたっ」

笑顔で袋を渡され それを受け取って頷くと
ディルは石畳に座り 袋からハーブ類を出し
丁寧に鑑定していく
ルティはその少し離れた所で
その姿を見つめる

短く柔らかな薄茶色の髪に夕方の光が当たり キラキラ輝き
長い睫が伏せられた瞳の下に陰を作る
綺麗だと思う…
そして 真剣な眼差しでハーブを選別する顔は
とても格好良くて…
座ってディルの姿に見惚れてしまう
頬が熱くなり 胸が高鳴る
その赤い唇で 好き だと言ってくれたら
愛を囁いてくれたら
僕は今すぐにでも 死んだっていいかも知れない位幸せなのかも…

(って 何考えてんだっ 僕っ!)

見入ってしまったディルの顔に
すっかり願望が妄想となってしまう
慌てて首を横に振って それらを振り払い
赤くなった頬を両手で包み込み俯く

「うん 沢山採って来てくれたね?有難う
はい これが買い取り金額です
後 これはおまけ」

一人で百面相していたルティにディルは頬笑み掛け
傍に来ると その柔らかい頭をそっと撫でながら礼を言って
ゼニーが入った袋を渡すと 手の中にキャンディを置いてやり

「有難うございます」

妄想していたキスでは無いが
キャンディを貰えただけでも十分嬉しい
おまけに頭まで撫でて貰えた

頬を赤くしたまま ルティは笑顔で答える

「さて もう夜だ…お礼に夕飯をおごって上げますよ?」
「え?いいんですか?」
「うん ルティはいつも頑張ってくれてますからね」

このまま別れなくて済む
もう少し一緒にいられる
それだけで ルティの心は嬉しさのあまり弾み
満面の笑顔になる


向かい合って テープルに並んだ食事を口に運び
言葉少なくはあるが ゆっくり会話を楽しむ
ディルの話は難しいけれども興味深く
ルティは幼い子供の様に目を輝かせて聞き入る

「ん?あぁ…ちょっと待ってて…Wisが入った…」

そう会話の途中で ディルは耳に手を当てて
小さく会話している
それを待ちながら ルティはテープルに置かれている
何かの果実漬けから香る 甘い香りに誘われ
それを口にしてみる

「ん~ 甘い…美味しいかも」


「待たせたね…って ルティ?!」

個人的に来たWisで会話が終わったディルは目の前のルティを見ると
思わず声を上ずらせ 驚く

「にゃ~…ディルさぁん~」
「これを食べたのか…」

テーブルに突っ伏して こちらを潤んだ瞳で見つめ真っ赤になるルティ
その手元には 純度の高い酒に漬けたプラムの小瓶があり
ディルは盛大にため息をついた

「さて…これはどうするか…
仕方ない…」

もう すでに寝てしまいそうな状態のルティを放り出す訳にも行かず
そこの宿を取って なんとか運び 
ベットに転がす

「全く…Strが1の私に何をさせるんだ…」

なんとか部屋に運び カートを下ろして手袋を外し身軽になると
ベットに転がるルティに近寄り 軽くゆすってやる

「ルティ 大丈夫?」
「んん~…暑ぃぃ~~…」
「やれやれ…ほら 前を緩めるから…」

すっかりだだっ子の様になってしまったルティに
再びため息をつき 服の前を緩め 肌蹴させる
まだまだ 筋肉のつかない柔らかく 白い肌が露わになり
薄明かりの中 なんだか犯罪を犯す気分に
ディルはその体に布団を掛けてやる

「子供相手になに考えてんだか…」
「ディルさぁん…あのですね…僕 ディルさんのそばにいたいです」
「ルティ…」
「ぼく…記憶なくて 怖いけど…ディルさんと一緒にいると
なんか 安心出来て…
だから…いっしょ いたいです…
がんばる から…そばに いれる ように…
ぼく ディルさんの事…」

布団の中から細い手を伸ばし そっとディルの手に自分の手を
触れさせたルティは
覚束無くなった口で なんとか言葉を紡ぎながら
トロンとした瞳でディルを見上げ
心の想いをたどたどしく伝えるも
肝心な所で そのまま寝いってしまい


「全く…まだまだ子供ですね…」

ルティの告白に少々驚くも 寝てしまった相手に笑みを浮かべ
そっと額に掛かった髪の毛を上に上げてやり

「どうなったって 知りませんよ」

そっと囁いてから 額に口づけてやる
それに気付いたのかそうでないのか 
ルティは幸せそうに笑みを浮かべた…




「これは?」
布団をかけ直そうとした所
寝がえりを打ったルティの肩の後の方に
焼き印の様な小さなエンブレムがある事に気付いた

見た事が無い様な ある様なエンブレム

なぜか 胸がざわついた…


眠る ウサギの様な少年
胸に広がる不安…
ディルは それらを振り払う様に
ルティを抱きしめた







眠っていた時間が
もうすぐ動きだす……








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