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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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貴方の為に祈りを捧げよう…

東雲さんの 
「その歌声は泣き声に聞こえる」が終わられましたので
その後のルティのお話なんぞを
勝手に書いてみたというか…

はい 書きたかったんです…済みません…


ルティにとって ギルドのメンバーは
誰一人欠けて欲しくない
大事な大事な存在。
ずっとイクスが苦しんでいた事を知ったルティは
やっとイクスに会いにいく…




どうか どうか
皆さんをお護り下さい…
イクスさんの苦しみを 解いて上げて下さい…


冷えた室内で
その手や足 そして体が冷え切っていても
ルティはずっと
床に膝をつき 両手を組み合わせ天に願っていた
もうすぐ夜も明けるかという頃
待ち望んでいたWisが鳴り響いた…


『ルティ?』

そう呼ぶ 誰よりも愛しい人の声に
ルティの瞳から再び涙を零れ落ちた…





イクスの呪いも解け
平和な時が戻ってきた。
あれから2日程たっていたが 
皆 狩りに行くことなく各々過ごしていた。

ルティは 戦い疲れた皆の為にハウスの家事全般を甲斐甲斐しくし
今はキッチンで昼食の準備をしていた。
大きな鍋から 小鍋にシチューを移し替える。
それに先ほど買ってきたパンを添えて
飲み物に紅茶を淹れて、器を2つとスプーンを2つトレ―に置くと
重そうにしながら2階へ行き
イクス達の部屋のドアを叩く。

「なんだ…?」
「あの…昼食…持ってきました…
えと…イクスさんは…具合 如何ですか…?」

ドアを開けて応対したシオンに
ルティはやはり少し緊張した面持ちで見上げ
戦いに出て行ってから会っていないイクスの様子を尋ねる。

「…今 起きてるから自分で確かめろ…」

酷く心配そうな表情にシオンは珍しくルティに中に入る事を許可してやり、ルティは目を輝かせて礼を言うと
トレ―を抱えて中に入る。

「ルティか…?」
「イクスさんっ!」

ベットに上半身を起こし 背中にクッションを置いて寛いでいたイクスは声がした方向に目を向け名を呼び
ルティは泣きそうな声で駆け寄っていく。

「お お昼ごはん…作ってきました…」
「あぁ サンキュ。助かるよ」
「…もう 大丈夫なんですか…?」

サイドテーブルにトレ―を置き ベットの傍らに立ったルティはイクスの様子を心配そうに伺う。

「まだ ちょっと目が見え辛いけど、大分見える様になってきたし、体調は随分いいぜ?」
「…よかっ…た…」

いつも通り控え目だが
まるで憑き物が落ちた様な晴れやかな感じで
笑みを浮かべてルティに自分の調子を聞かせてやると
ルティの瞳から涙が溢れ落ちて行く。

「ルティ…」
「本当に 良かったです…
ごめんなさい…ボクっ…なにも 出来なくてっ…
無事で…よかった…です…」

ずっと抱えていた不安と、そして自分は何も出来なかった事
何よりイクスが無事であった事…
それがイクス本人を目の前にして一気に溢れ
ルティは必死に涙を堪えようとしながら
それでも 溢れる涙を抑えきれず 
俯きながら申し訳なさそうに謝罪して。

「ずっと…オレ達が帰るまで寝ないで祈っててくれたろ?」
「ぇ…?」
「痛みに苦しんでた時 ちゃんとお前の声も聞こえたんだ…
オレを助けて下さいって…
有難うな?ルティ」

そう言って優しく頭を撫でる手に
ルティの涙は益々溢れてゆき
それでも嬉しそうに笑顔で頷き。
これ以上邪魔をしてはいけないと
短く礼を言って 待っていてくれていたシオンに謝罪して
部屋を出た。


「どうしたのだ?ルティ?」

1階のテーブルの椅子に腰掛けていたディルは
泣きながらルティが降りてきたのに
驚いた様に駆け寄り。

「嬉しくて…泣いてるだけです…
イクスさん よかった…
もう これから苦しまなくていいんですね…
ボクの祈りが 届いたって言ってくれました…
少しでも 役に立てて…良かったです…
よかった…」

ディルが傍に来ると その腰に腕を回して抱きつき
胸に顔を埋めながら
泣きながら答え
心底イクスが無事で 
そしてこれから苦しまなくていいのだと
嬉しそうに頬笑み。

「私達皆に お前の祈りは届いていたよ…
ずっと 私達を待っている間 不安だったのだな…
有難う ルティ…」
「ディルさん…」

泣きやまないルティの頭を撫でてやりながら
ディルは優しく頬笑み
そっとその涙に濡れた手を両手で包み込むと顔を上げさせ
唇を塞ぎ…

そのまま深く口づけ様とする所に
丁度リョウとアルが帰ってきてしまい
ルティを泣かせていると リョウから非難されたディルが
リョウへ説教を始めてしまい…


(ボク 本当にココにいられて良かった…
どうか どうか神様
ボクの大事な皆さんが これから幸せでありますように…)

そんな様子を見ながら
ルティは嬉しくて 心の中でそっと祈りを捧げた…



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