窓から 朝の光が差し込み
部屋を温かな光で包み込む
そんな中 イクスは眠るイシュアを見つめていた
後からはシオンが抱きしめて その膝の上にイクスが座る様な形になっていたが…
「…んっ…」
「イシュア…?」
ぴくんっとイシュアの瞼が震え 小さな声が漏れる
それに気付いたイクスは慌ててシオンの腕の中から飛び出し
傍らに駆け寄ると その手を握り締める。
「イシュアっ!」
「…にぃ さん…?」
呼びかけられると、イシュアはぼんやりした瞳をイクスに向け
擦れた声で答える。
言葉を続け様として、そのまま乾いた咳をするイシュアに、イクスはその背中に腕を回して起こしてやり、水が入ったカップを差し出す。
「飲めるか?」
「…ん…」
殆ど手の力も無いのか、背中とカップを支えられながらも
イシュアはゆっくり水を口に含み喉を潤してゆく。
「ボク…どうしたん だっけ…?
なんで ココに いるんだっけ…?」
「イシュア……」
薬の影響か、記憶がハッキリしないのか、小さな子供の時の言葉遣いで
ぼんやりと焦点があってない瞳をさ迷わせて
不思議そうに尋ね、イクスはその様子に戸惑い。
「頭…いたぃ…」
「無理するな…もう少し寝ておくんだ…
オレが傍にいるから…」
「ぅん…」
頭を押さえ蹲るイシュアにイクスはそっと体をベットに横たえさせて
眠る様に言うと、素直に聞き入れて、そのまま目を閉じてしまい…
「イシュアが目を覚ましたのか?」
「あぁ また眠っちまったけど…ただ 今は記憶がはっきりしてなくて
自分に何があったのか覚えてない…」
シオンから食事を取って来いと言われ
渋々イクスは後をシオンに任せて
1階でスープを飲んでいたイクスはディルにイシュアが目を覚ました様子を話をしていた。
「中和は少しずつしてはいるだろうが、完全ではないし、意思を奪う様な強い薬だ…多少は記憶が混乱はするだろう…
混乱している時はいい…だが 突然思い出した時が大変だと思うのだ…
思い出した時に イシュアの精神が耐えられるかどうか…だな」
「そうだな…」
ディルの言葉に 自分は超えられたが
体と そして脆い精神の小さな弟が耐えられるか…
イクスはそれを考え唇を噛んだ…
「…シオン さん…?」
「…」
シオンとイシュアの二人だけの空間…
目を覚ましたイシュアは視線をさ迷わせ
隣のベットで寛いでいたシオンに気付き
小さく名を呼ぶが
シオンは軽く視線を送るだけで 言葉も無く すぐに視線を反らせる。
「シオンさん……兄さんを 宜しくお願いします…」
「……思い出したのか…?」
「はい……」
暫くの沈黙の後 切り出された言葉に
視線は向ける事なく シオンは短く尋ね
イシュアは震える体を布団の中で抱きしめ
泣きながら小さく答える。
「出ていくのか…?」
「ココに ボクが…おれが 居る訳には いきません…」
記憶が混乱する中 なんとか狂いそうになる意識を保ちながら、シオンの問いかけに言葉を選びながら答える。
「イクスが悲しむぞ…」
「それでも…いまの おれをみられる よりは…いい です…
にぃさんに…みせ られなっ…ぅっ…」
イクスをこれ以上悲しませたくないのか、珍しくイシュアを説得する言葉を短く吐き出すが、布団に包まったまま荒い息を吐きながら答え、意識を保つ様に唇に歯を立てて噛み締め。
「……」
「やっ…!!」
何かに気付いた様に腰を上げたシオンはイシュアの傍へ歩みより
布団に手を掛けると一気にはぎ取り。
自分を隠そうとしていたイシュアは怯えた様に悲鳴を上げ、自分の肩に手を回して小さく体を縮込ませる。
「催淫剤か…意思を奪う薬が薄れると それが発動して動けなくするか…
よく出来た薬だ…完全に愛玩用の…ヤル為に作られた体だな…」
「ふっ…ぁっ…やっ…みない でっ…くださっ…」
白く艶やかな肌は薄紅に染まり、頬も紅く染め上げて
目は激しい欲情からすっかり潤み まるで媚を売るかの様で…
唇は艶に彩られ 半開きになり
自身はすっかり熱を帯びて意思に反して勃ち上がっているのか
股間を擦り合わせ そこを隠す様に小さく身を縮ませるが
シオンの視線にすら感じてしまうかの様に
涙を溢れさせながら 必死に視線を逸らして逃げようと身を捩り。
「ココから逃げるな…
またイクスが悲しむ…」
「ひゃあんっ!!」
「シオンっ?何してっ…」
「やっ…!にいさっ…みな いでっ…!」
腕を掴まれるだけで感じてしまい 声を上げてしまった所でイクスが丁度帰ってきて、その様子に驚いた様に目を見開くが
イシュアは全てが性感帯と化した欲情染まった体で、
今すぐにでもイクスやシオンに強請ってしまいそうな自分を押さえきれなくなりそうで、泣きながら首を横に振り、イクスにあさましい自分を見ないで欲しいと願い。
「…イシュア…大丈夫 怖がらなくていい…」
「やぁっ…にぃさっ…やめっ…んぅっ…!」
その様子に イクスはイシュアの体がどんな状況か理解し、一瞬青ざめるが、その顔に優しく笑みを浮かべて近寄り、イシュアの顎に指を掛けると、嫌がるイシュアの唇を塞ぎ。
薄く開いた唇から歯列を割り 舌を熱っぽい口腔へと潜り込ませ
唾液で濡れる舌に自分の舌を絡み合わせ、角度を変えて何度も深く口づけをしてゆき…
「ふぁっ…んっ…」
「オレがシテやるから…怖がらなくていい…」
「だ めっ…にい さっ…あんっ!!」
絡ませた舌を口腔から引き抜き
ベットに腰掛けたイクスはイシュアを自分の膝にひょいと軽く持ち上げ座らせると、後ろから耳元に囁き 耳朶を軽く噛みながら
手を前へと伸ばし、寝巻代わりに着せていたシャツをたくしあげ
イシュアの熱く勃ち上がった自身を片手の掌で包み込む様に握ると、その背中をびくりと仰け反らせ、甘い悲鳴を上げて。
「ほら…気持ちいいんだろ?もっと足を開け…どこを弄って欲しいんだ?」
「やぁっ…んっ…はっ…ココっ 欲しぃ よぉっ…」
男にしてはあまりに小さいイシュアの男根を優しく握りしめ
ゆっくり手を動かし扱きあげてやりながら
もう片方の手を太股に這わし 快楽に溺れ始めたイシュアに意地悪く囁き。
イシュアも次第に甘い声を素直に漏らし
太股に這うイクスの手に自分の手を伸ばして
後方で既に欲っして開花しようとしている蕾に導き
涙を零しながら欲しいのだと哀願し。
「イシュア…よく出来たな…ご褒美だ」
「ひゃうっ!!んっ…あっ…ぁんっ…」
首筋や項に唇を寄せ 吸い上げてやりながら
導かれた花弁の襞に指先を這わせ
中から蜜が溢れだし始めた花弁の周りと丁寧に揉みほぐしてから
つぷりと指先を潜りこませて
美肉を指先で奥の方へと割り開いてゆくたびに
イシュアは淫美な声を上げて
快楽を欲する様にその指を中で締めつけて。
自身の先端からは 我慢しきれない蜜が溢れ落ち
イクスの手を濡らし、余計に滑りが良くなった自身を追い込む様に扱きあげ、すっかり開発されてしまった後方の花弁は2本に増えた指を難なく飲み込み くちゅくちゅと音を立てながら、指を抜き差しして。
「はぁっ…あっ!にぃ さっ…!やっ でちゃっ…!」
「いいぜ…先に一回だせよ…」
「ひぅっ!!やぁぁぁっっ!!」
薬に犯された体は すぐに限界を来たし
全身を震わせながら、両方の箇所を攻める手に自分の手を添えてやめさせようとしながら、限界を訴え。
果てる様に囁いたイクスはより強く自身と内部の肉壁を擦り上げ、それに耐えきれなくなったイシュアはあっさりとイクスの手の中で果ててしまい。
「ぁっ…はっ…ごめ なさ…」
「まだ治まんないだろ?」
イクスの手を汚してしまった事に力の抜けた体で申し訳なさそうに謝るが、一度果てた位では体が満足しない事を知っているイクスはイシュアの中から指を引き抜き、その体をベットに下ろすと、自分の法衣の上を脱ぎ捨てて、イシュアをうつ伏せにさせ、腰を上げさせた所で
イクスの肩をシオンが掴み。
「シオン?」
「お前は前に回れ…俺がヤる…」
「何言って…」
「お前は俺のモノだ…」
驚くイクスにシオンは短く告げて
その唇を奪う様に重ねると 体を離し
イクスと そのイクスに良く似たイシュアが絡み合う淫美な姿と
何よりイクスの妙にぞくりとさせてしまう艶に当てられたのか
すっかり熱を持ってしまった自身を服から取り出し
解され ひくひくと震える花弁の中心に自身をあてがい
そのままズブズブと潜り込ませてゆき。
「ああぁぁぁっ!!」
「ほら…ちゃんとイクスのモノを口でしろ…」
「はぁっ…あっ…にい さっ…」
「イシュア…無理しなくていいぞ…?」
「はんっ…あっ…にぃ さんっの…ほし ぃっ…」
中へと侵入してきた その大きな自身にイシュアは悲鳴を上げ背中を反らせるが、細い腰を掴み奥へと腰を進めながら シオンはイシュアに命令し
顔を歪ませるイシュアを辛そうに見下ろしながら声を掛けるが
イシュアは欲にまみれた顔で小さな声で呟き
イクスの股関に顔を埋めると ズボンにファスナーを下ろし
突き上げられる衝動に悶えながらも ズボンから導きだしたイクス自身を
紅く艶めいた唇に咥えて…
「ふっ…んんっ…ぅんっ…!」
「イシュアっ…はっ…すごぃ…気持ち いぃぜ…」
後からシオンに突き上げられる度に その体は快楽に震え
睫の長い瞼を閉じ 口から声を漏らしながらも
懸命にイクス自身を口一杯に含んで吸い上げ
何度も口を上下させて
イクスが口の中で膨らみ 濡れた声を漏らすと
益々嬉しそうに口の奥まで含み口を動かし。
そんなイシュアの髪に指を潜り込ませ、撫でながら褒め…
そんな顔で乱れるイクスを目の前にし
シオンはイクスへの欲情をぶつける勢いでイシュアの中を掻き回し
それに合わせる様に イシュアもまた口の奥までイクスを飲み込み口を動かして…
そして それぞれの悲鳴と共に
シオンはイシュアの中へ イクスはその口腔へ
イシュア自身は そのままベットのシーツの上に白濁の蜜を解き放ってしまい。
「はぁ…イシュア?大丈夫か…?」
「んっ…けほっ… ん…だい じょうぶ…
にぃさ…シオン さ…あり がと…」
口に放たれた白濁を飲みほしてしまったイシュアを心配そうにイクスは声を掛け 頭を撫でてやると、軽くせき込みながらも 飲み干せなかった白濁に口を濡らしながら顔を上げ、やっと 望まない以外の相手に抱かれ
素直に快楽に身を委ね その心地よさを初めて味わえたイシュアは
嬉しそうに笑い イクスとシオンに礼を告げると
そのまま意識を失ってしまい。
「ありがとうな シオン…」
「あ?何がだ?」
「イシュアの事だよ…まさか お前が協力するとは思ってなかった」
「あぁ…お前の大事な物だしな…そいつを失えばお前は悲しむ…
お前を悲しませたくはない…
だったら お前の大事な物を俺が守ればお前は悲しまない…
そう思っただけだ…」
「…愛してる」
ベットを片付け イシュアの体を拭いてやってから
イシュアを間に挟む様にベットに横たわったイクスの言葉にシオンは当たり前の様に答え、イクスは泣きそうな嬉しそうな顔で笑うと、少し身を起してシオンの唇に口づけて。
「誘ってるならヤルぞ?」
「今日はダメだ!イシュアが起きちまうだろ?」
「俺は気にしない」
「オレは気にすんだよっ」
真面目な顔で言うシオンにキッパリ断り
それでも諦めない相手を叱り飛ばし。
自分達の間で やっと安心しきった様子で眠るイシュアに
イクスはほっと息を吐き出し
その頬を撫でてやる。
「やっと…これから一緒にいれるな イシュア…」
自分が家を離れてから 10年近く…
それ以来こうやって共に寝た事がなかったイシュアが傍にいる。
その幸せにイクスは頬を緩ませる。
「これからこいつは一緒にここにいるのか…?」
「ダメか?
もうオレの呪いも解かれたし、このギルドを離れる理由もなくなったしな」
「邪魔だ…」
「もう1個のベットで寝せるし お前とオレはこっちで一緒に寝ればいいだろ?オレ達の子供が出来たって思えば…」
不機嫌そうなシオンにイクスは説得をしてみるが
2人きりの空間を邪魔される事はやはり嫌なのか 邪魔のひとことで済ませるシオンに イクスはとんでもない発言をして
暫しシオンはイシュアを見つめる。
確かにイクスに良く似た 二人の子供…
にも 見えない事はない…
「…イクスは俺のモノだからな?」
「そりゃあ勿論 オレはお前のモノだぜ?
イシュアは…お前とは別で大事だし、愛してるんだ…」
「……」
「殺すなよ…?」
「…分かってる……
俺が父親って事だよな…俺の躾けは厳しいぞ…」
「イシュアに余計な事教えるなよ?」
確認する様にシオンはイクスに聞くが
大事で愛していると言われると表情を険しくし
その顔から何を考えているのか気付いたイクスはシオンを窘め。
渋々とでも頷いたシオンは
自分が父親ならばと 躾けの話になり
イクスから軽く睨まれて…
そんなやり取りと暫くした後
裸の3人は まん中にイシュアを挟んだ川の字で
久々のゆっくりした眠りを貪っていた。
イクスはシオンの腕枕で眠り
イシュアはイクスの胸に顔を埋め
シオンとの間に挟まれ
それぞれが穏やかに眠っていた…
一度シオンは目を覚まし
自分の胸元で眠っている存在に目をやる。
小さく身じろきをする小さな存在に
まぁ これも有りなのかもしれないと少しだけ思い
そっとその恋人と同じ青い髪に口づけてもう一度眠りについた…
やっと下弦の月は山へと沈み
長い夜が明けた。
迷子の子犬はようやく
大好きな腕の中へと掛けてゆく。
それがひと時の事か 永久なのか
それはまだ 誰にも分からないけれど…
長い夜は明け
そしてまた
長い夜の始まり…
[0回]
PR
COMMENT
No Title
やっとイシュア君がお兄さんたちとらぶらぶに(*ノノ)
えっちな体になっちゃいましたが、これはこれで幸せなような(ぇ
兄弟丼いただけるシオンさんが一番お得な気がするんですけどどうでしょう?w
これからもイシュア君の活躍を楽しみにしています(*´▽`)
もちきん様
いや、完結にならない完結でしたが;
どう転ぶのか最後まで決めかねて、結局こうなったと…
でも、イシュアが幸せそうなんで こうなっても良かったのかとw
これからイシュアは、色々自キャラと絡んでくる様になりますので、これからもどうぞ宜しくお願い致します☆
お付き合い頂き有難うございました!
No Title
キャラが多すぎて全体に話がぼけてしまったような感じを受けました。誰が主人公なのか。
そして私が気に入ったキャラやカップルはコラボ先の方のキャラだったとか。コメント書いていいのか悩んでしまったですよ。月宮さんのキャラでの次回作を楽しみにしています。
暁様
完結にならない話になって済みません…
正直自分でも、はっきり色々しなくて どう書いていいか分からない状態になってました…
文章書く難しさを痛感しました;
仰る通り、主人公にする筈だったイシュアがそうなってなかったり、色々自分でも考えさせられる経験でした。
これを踏まえて、次回から考えて作っていける様に頑張ってみますので、これからもお付き合い宜しくお願い致します☆
有難うございました!
No Title
長期連載の寄り道(短編)書かせちゃう原因が感想書くのも…と思ったのですが。イシュアが無事イクスの傍に戻れて良かったです。イクスにとって本当に長い間イシュアと一緒じゃなかったのかぁ…と思うとシミジミします。これから超ブラコンなイクスになってくれれば良いなと思います!!
3P…私的にはイシュアをイクスが攻めて、イクスをシオンが攻めると思ってました。これはこれで良いですねwシオンがイクス以外を仕事無関係で攻めてるのが違和感でした。いつの間にそんな丸くなったんだろう(笑)
駄文、失礼しました。
東雲様
いやもう 本当に文を書くって大変だって事を痛感出来た話しでした☆
これからは、もっとバランス良く書ける様に精進していきます!
超ブラコンのイクス…なんか 弟猫可愛がりしているイクスってきっと可愛いだろうな~wとか 勝手な妄想をしてます…
3Pに至っては かなり考えたんですよ…本当ならイクスがイシュアを攻めて、イクスをシオンが攻める…って その構図だったんですが、果たして独占欲が強いシオンはイクスが自分に責められて悶えてる可愛らしい姿を、弟とはいえイシュアに見せたりするかな?とか ずっと考えていたら、なんかシオンが攻めちゃったという…
済みません;相談してからやっぱり決めればよかったと、大変申し訳なく思ってます(汗)
なんか、結婚してたらしいシオンとイクスなので、本当にイシュアを子供にしてしまうネタをつぃ 考えたりする今日この頃です(笑)
色々こちらもご迷惑掛けたりしてますが、これからもお付き合い宜しくお願い対します!