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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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雪の華が咲く頃に~双月

エルフと人間のハーフである 双月
人の命より長くを生きてしまう彼は
ある日 決意をする。
人間として 人の世界で生きて行く事を…




キャラ作っておきながらなんですが
中々 性格がよく掴めない双月…









悲しまないで 私がココに居なくても
私の想いは ずっとココにあるのだから

愛する貴方を 空となり風となり 光となり木々となり
ずっと見守っている

悲しまないで いつか貴方の時計が止まる時
私はきっと 貴方を迎えに来るのだから

姿が見えず お互い触れあえないけど 
その時が来たら また抱きしめ合えるの
だから その時が来たら 会う事が出来るのだから

毎日じゃなくて たまにでいいの
私を思い出して 愛してるって囁いて
そして笑って過ごしていて
貴方が笑うと 私も嬉しいの

時々 家の中でする音に
突然家の中に吹き込んで来る風に
驚いたりしないで?
私が貴方を心配で 見に来ているだけだから…


悲しまないで 私がココに居なくても
私の想いは ずっとココにあるのだから






そう歌って踊る ジプシーの姿
漆黒の長い髪を揺らし 美しき少女の様に笑いながら歌う

それが 僕の母だった

先に逝ってしまう自分の想いを
愛する父に 僕に伝える為に
母は歌ってくれた


遠い 昔の事…


人間の母と 母を愛したエルフの父の間に僕は生まれた
母譲りの黒髪に 父の翠の瞳
ジプシーだった母から 声と
父からは 楽器の才を貰っていた僕は
エルフの世界から離れ 人として生きて行く為に
バードになり 広大な世界を旅をしていた


母の歌を この世界に届ける為に…
僕の歌と奏でる曲で 誰かを幸せに出来る為に…










「あぁ…この街も久々だなぁ…何年ぶりだっけか…?」

荒れた土地を抜けた先に 水路が街を渡る街
アルデバランがある
入口を入って見えるのは この街のシンボルの時計塔
あの中は 街中にして 魔物達の巣窟なんだが
人が普通には入れないあの場所で
どうして時計はちゃんと動いてるか不思議なもんだ…
やっぱり あそこのアラームとかが点検とかしてんだろうか?

とか バカな事を考えて自分でおかしくなり
思わず笑いながら その街の酒場に向かう


もうすっかり日も暮れてるから
プロンテラ程ではなけど 十分冒険者や他の人達で賑わっている

「女将さん 上の宿は部屋空いてるかい?」
「おんや 双月じゃないかい?久しぶりだねぇ
生きててなによりだよっ
大丈夫 空いてるよ!
それよか 相変わらずアンタって子は変わらないねぇ
昔のままだよっ」
「あははっ
女将さんこそ いつまでも可愛くて若若しいね?
旦那さんがいなけりゃ 口説いてた所だ」
「全くもうっ アンタって子はっ!
ほらっ 席に着いてっ
アンタっ 双月にビールだしてやんなっ」
「あっりがと~ 女将さん大好きっ」

宿屋の恰幅のいい女将に声を掛けると
有難い事に覚えててくれた
こんな会話が出来るのは幸せな事だ
僕の言葉に顔を赤らめて上機嫌になってくれた女将さんが
なんとも可愛い
実の所 僕の方が年上なんだけど…
後 どれくらいここにも来れるかなぁ
エルフと人間の間に生まれた性か
エルフ程長生きはしないけど
人よりも どうしても長生きになってしまう
そんな自分の体質に 思わず小さくため息を吐き出して
カウンターの席に着く

目の前に置かれるビール
寡黙なマスターに礼を言って一口飲む

「うま~い…やっぱり 酒はいいよねぇ
五臓六腑に染みわたるっていうかさぁ~…」

深く心地よいため息をつき
乾いた喉にビールを流していく

そんな幸せに浸りながら カウンターから店内を見渡す
以前この街に滞在していた頃と
ここの常連達も変わっていた
新しい若い顔を見ながら 
今は生きている者たちの顔を眺める


その中で 妙に気になる集団を見つける
賑やかにしているのは チェイサーだけで
その様子を嬉しそうに見ている ハイウィザード
軽くため息を吐き出す 無愛想なハイプリースト
そのハイプリの傍にぴったり寄り添いながら 
やはり無表情なアサシンクロス
にこやかに酒を口に運び 隣と会話するクリエイターに
ウサギ耳が可愛い 珍しい髪と目をしたアコライト

面白い組み合わせだ…
なんだろう…わくわくする感じがする…
長年の勘
彼らは僕が関わっていく運命の子達だ


良い運命か 悪い運命かは分からないけど…
占ってしまえば すぐ分かるだろうけど
自分の事は占わないってのが ルールだしね?

なんだかすっかり楽しくなって もう一杯ビールをおかわりすると
彼らの席へと向かった



「こんばんは 僕は双月
世界中を旅している吟遊詩人なんだ
今日 ここに着いたんだけど 
良ければ 今夜は僕がおごるから
一緒に飲まないかい?」





これから暫くは この街を拠点にしようか
そう思う 素敵な一夜が始まった。




僕は歌おう 貴女の為に
僕は弾こう 貴方の為に



長い長い旅の終わりが もうすぐ見えてくるのかもしれない




















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