「ディルと二人で狩りって久しぶりだよね」
「すまんな…付き合って貰って…」
「何言ってんのっ そんなの気にしないでよっ」
プロンテラフィールド11 ゴブリン森。
ディルが青ポを作る為に必要なセルーを求めてゴブリンを狩りに、クリエイターのディルとハイウィズのアルは来ていた。
今日はディルの相方ルティも、そしてアルの相方リョウもそれぞれ用事で出かけており、ディルはアルに頼んで狩りに同行して貰っていた。
済まなそうなディルに対し、アルは明るく笑い背中を叩いてから前を歩く。
「家族なんだから、そんなに気にしないのっ!ね?ゲイル?」
「キュイキュイっ!」
妙に気にするディルに笑顔で振り返ってからきっぱりと言い、先頭を飛んでいるディルのホム ゲイルに話掛けると、それに同意しる様に元気よく鳴く。
「有難う…」
「だからいいって!ほらっ ゴブリンがいたよっ」
そんなアルに控え目だが嬉しそうにディルは礼を言い、ウィンクをしてから目の前に現れた目標の敵 ゴブリンに向かってアルは武器を構えた。
「あれ?アルにーちゃんにディルにーちゃんっ!」
暫く狩りをしていたアルとディルの背後から、聞きなれた子供の声が二人の名前を呼んだ。
「ウォレスくん?」
「あ ホントだウォレスだっ~」
「兄ちゃん達 久しぶり~」
振り返ったディルは、思いもよらない人物の声に驚いた様に名を呟き、パタパタと走ってきたウォレスは、両手を広げたアルの腕に走り寄って抱きつく。
「あぁ ウォレスっ いきなり走ってどうしたっ…」
「イルシアではないか…」
「あ…ディルと…アルさん…こんちわ…」
「もぉっイルシアっ さんはいらないよっ アルでいいよ~」
いきなり走っていったウォレスを追いかけてきたらしいイルシアは、少し息を乱しながらも、そこにいた人物に目を丸くして、驚きながらも挨拶をする。
アルはさん付けで呼ばれた事に、軽く口を尖らせて、訂正をしてやり。
「んめぇぇ~~」
「もふもふも元気そうだな?」
「あっ!ジンギスカンだ!」
ディルとゲイルに挨拶をする様に走り寄ってきたケミのもふもふも元気よく鳴くと、ウォレスと抱き合っていたアルはその姿を見て嬉しそうに声を上げる。
「にーちゃん こいつもふもふって名前でジンギスカンって名前じゃないぜ?」
「え?あぁ あのね 名前じゃなくて、こんな羊の事っ…むぐっ!!」
「アルっ!それ以上言うのではないのだよっ」
再びもふもふの事をジンギスカンと言われ、不思議そうにウォレスが訂正すると、そうではないと ジンギスカンの事を説明しようとするディルは、慌ててアルの口を塞いでしまう。
「一体なんなんだよぉ~…っ!?」
「クルゥゥ!!」
口を塞がれもがくアルと抑えるディルに不満そうにウォレスは口を尖らせるが、感じた気配に顔を向け、それと同時にファルコンのクーリィーが空から嘶く。
「クーリィーっ!!ブリッツビートっ!!」
すぐさまクーリィーに向かって攻撃スキルを口にすると、クーリィーは凄まじき速さで茂みの奥へと飛び、鈍い音が響く。
「パンツァーゴブリンっ!?」
その茂みから現れた敵に、ディルが驚いた様に声を上げる。
「ゲイルっ ムーンライトっ!!」
「キュイっ!!」
「イルシア いくよっ!!」
「あぁっ!もふもふっディフェンスっ!うりゃぁぁっ」
即座にディルは後ろに下がり、ゲイルを攻撃態勢にして向かわせ、ゲイルの攻撃に続く様に殴りハイウィズであるアルも武器を構えて敵に向かい、アルに呼ばれたイルシアも我に返り もふもふと共にパンツァーゴブリンに向かって武器を振り下ろして。
「ブリッツビートっ!!ダブルストレイフィングっ!!」
やはり後衛職として後に下がったウォレスも、すぐに再びクーリィーに攻撃させ、敵めがけて弓を構え攻撃をして。
「自爆する前に倒すぞっ」
「おうっ!」
「任せてっ」
「大丈夫っ!」
アシデモで攻撃をしていたディルは、仲間達に声をかけると、それぞれ答え、一気に攻撃を強めて行って。
「やったっ!!」
さすがに4人とホム2匹 ファルコン1羽の攻撃に耐えきれず、パンツァーゴブリンは自爆する事なく音を立てて倒れて、ウォレスは嬉しそうに両手を上げて喜び。
「安心するのはまだ早いよ~
なんか 敵の皆さんがお出迎えしてくれるみたい…」
「げっ…」
喜ぶウォレスを振り返る事なく、げんなりとしたアルの声が響き、イルシアがうんざりした声を上げる。
すぐ先の方に大量のゴブリン達が集まっていた。
「…仕方ない…あっちに気付かれるのも時間の問題だろう…
この人数だ…あのモンハウを潰してから帰るか…」
「おっけ~」
「そうだな…」
「はぁ~ お腹すいた~」
ディルの提案にそれぞれため息と共に答え、武器を構え直した……
「皆のお陰でセルーが随分溜まったのだよ 有難う」
モンハウを全て殲滅し、ジュノーの仮宿に戻ってきたディルは、アルと そして宿に招待したイルシアとウォレスに礼を言い、それぞれの取り分のゼニーを手渡してやる。
「いつでも協力するから声かけてよ にーちゃんっ
結構ボク 強いよっ」
「俺も いつでも協力する…」
ウォレスは元気ににこやかな声で、イルシアはまだ少し恥ずかしいのか ぼそぼそと、それぞれ協力をする事を約束して。
「アルにーちゃん 本当に殴りハイウィズなんだなっ
めっちゃカッコ良かったぜ!
今度一緒に狩りいこうよっ」
「カッコよかった?えへへ 嬉しいな~
うんっ行こうっ
前衛は任せてっ」
そのままウォレスは近くのテーブルでジュースを飲むアルの元へ走ってゆき、興奮治まらぬ様子でアルに向かって狩りに行くことを提案して、すぐアルもそれを承諾して、そのままにこやかに話しを始め。
「ディル…その ガレットが結構溜まってるんだ…
もし ジャルゴンが余ってるなら 交換しないか…?」
「あぁ 丁度私もジャルゴンが溜まっていたのでよかった。
ぜひお願いするのだよ」
ディルとイルシアもそれぞれ、ホムの話を始めてしまい…
近くでは ゲイルとほむほむ クーリィーが一緒になって眠っていた。
そんな穏やかな夕方…
「たまにはこんな日もいいもんだ…」
「そうだな…」
アルとウォレスが楽しげに話をして、ホムとファルコンが眠っている様子を見たディルは、ふと 頬笑みながら呟き、やはりイルシアも穏やかな笑みを浮かべて小さく頷いて。
大分日が沈みかける頃、この宿の住人であるディルとアルのギルドメンバーが帰ってきて、ウォレスとイルシア そして双月まで呼んで、皆で宴会となったのであった…
「で 結局 ジンギスカンってなんだったんだ…?」
翌日 聞きそびれたジンギスカンの意味を思い出したウォレスが、不思議そうに部屋でイルシアと共に首を傾げていたのだった……
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COMMENT
No Title
捧げ品(?)とリク品有難うございましたv 感想一緒にしてすいません。
親子の絆はシオンのバカ息子発言に笑いました。意外と親バカ要素あるんじゃね? と再認識。そうか、イクスを犯そうとしてシオンに邪魔された奴だけじゃなく、イクスの反撃食らった奴もいたのか(爆) 考えて無かったですが、有りですね。最後のパジャマの裾掴んでもじもじしてパパとママの間で寝たいとは。襲って下さいって言ってますよね!? すぐ寝ちゃいましたけど、言ってますよね!? と一人興奮してました。すいません変態思考で。
たまにはこんな日も。はジンギスカンネタが(爆)その真相を言わせまいとするディルの必死さが笑えました。
ウォレスの殴りハイウィズ恰好良い発言に癒しオーラ貰いました。あぁ、殴りハイウィズ頑張ろうと思います。
色々ご馳走様でした~v
東雲様
返信が遅くなって済みません;
欲望のままに書いてしまいました…
シオンは子供だったらイシュアみたいなのがいい…とか、話があったので、案外息子となったら、結構親バカになるんじゃないかなぁ…って言う、私の願望が入りましたw
イクスは外見とは裏腹に 結構腕っ節が強いし、蹴りも凄いので、特に相手がアリス発言とかしてきたら、相手には容赦なく潰しにかかるだろうと思ってました☆
本当に欲望のまま書いたのがバレバレです^^;
パジャマの裾を握って強請るイシュアは、本当はこのまま二人に襲って欲しかったんですが、改めてこれは、イヤンな話で書こうかなぁとか…我慢しまくりました☆
でもあれは、絶対誘ってますよねw
ジンギスカンネタも書いてて楽しかったです☆
ウォレスとアルはきっと仲いいだろうな~と思いまして、ちょっとウォレスを絡ませてみました♪
書いてて、殴りハイウィズのアルと、ウォレスの相性って結構いいんじゃないかと思いまして、きっとこれからちまちまウォレスは絡んでくると思います☆
ちなみに 殴りハイウィズがカッコいいと思っているのは、私本人ですがw
本来の垢か、東雲さん側の垢に殴りマジを作ろうかと思案中ですw
リク 有難うございましたw
東雲さんの所の皆さんは魅力的過ぎて、むちゃくちゃ絡みたくなるww
はぁ 絡めて幸せです☆