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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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親子の絆

イシュアがシオンとイクスの養子になった記念でついつい書いてしまいました…
リク頂いて それも書いてる途中なのに…
済みません;

ちょっと 親子スキルの 「パパママ きて!」を使わせたかったので、書いてみました☆
らぶらぶ親子です♪
本当は ラストはそのままイヤンな話にしちゃいたかったんですが、それを書くとまた、無駄に長くなってしまうので ちょっと我慢!

いらないと言われるかもですが
東雲さんに勝手に捧げます!(大迷惑)



「よしっ 終了っと…」

アカデミーの第二試験
フェイヨン迷いの森でポリン先生の試験が終わったイシュアはふぅっと息を吐いて笑みを浮かべる。

「後は アカデミーに帰って報告してっと…
…ちょっと ぽりん狩って行こうかな…?」

色々な色のポリンが飛びまわるこの場所が好きで、近くにいたポリンを叩いて少し遊んでいた。

「やぁ 元気に頑張ってるね」

そういきなり声を掛けられ、少し驚いた様にイシュアは振り返ると、そこには見知らぬハイプリーストが立っていた。

「えっと…?」
「あれ?俺の事覚えてない?」
「えぇと…すみまっ…うわっ!?」
「捕まえたよ~」

無邪気な笑みを浮かべて近づいてきたハイプリーストの言葉に首を傾げながら思い出そうとするが覚えがなく、謝るイシュアの両手を掴むといきなり上へと上げられてしまい、驚くイシュアとは対照的に、ハイプリーストは周りに向かって声を掛け。
すると、茂みからチェイサーやハンターなど、数人の男達が姿を現わす。

「こいつがイクスの弟か…あんま似てねぇな…」
「でもこっちの方が子供な分 アリス顔だから、そこは似てると思うぜ?」
「でも本当にイクスの弟?随分緊張感なさすぎだし 弱過ぎだって…」

両手首を手早く結ばれ、上に上げられてしまっている為、どう動く事も出来ず、周りに集まってきた男達は品定めをするかの様にイシュアの姿を見て、口ぐちに感想を述べる。

「い 一体何なんですか?貴方達は…
兄さんを知ってるんですか…?」

状況に青ざめつつも、震える体を叱咤しながら周りの男達に尋ねる。

「あぁ よ~く知ってるよ?こらから君を囮にして、イクスとシオンを罠に掛けるつもりなんだ」
「っ!?」

怯えながら尋ねたイシュアに、ハイプリーストの男は笑顔で答え、イシュアは目を見張る。

「その前にぃ~…イクスを犯したくてもシオンに邪魔された奴とか、イクスから反撃くらった奴とか多いわけ…だからまず手始めに みんなで君を犯してから、イクス達をおびき寄せるつもりでいるから覚悟してね?
ここにいる奴ら 皆の相手をしてもらうから、それまで死なないでよ?」
「ひぅっ!!うぁっ!!」

冷酷な笑みを浮かべたハイプリーストは、楽しげに笑いながら怯えるイシュアにわざとこれからその身に起こる事を告げて、恐怖から逃げようと身を捩るイシュアを乱暴に地面に転がし、縛られている手首を思い切り踏んでやる。

「こうすれば、蝶を潰して逃げる事も出来ないでしょ?
ふふ…そういえば君は、この前あった誘拐事件の被害者の一人だったね…
じゃあ…どれくらい酷く犯されても、大丈夫だね…
一杯色んな男達を咥え込んで、躾られたんでしょ?可愛い顔してやらしいなぁ」
「っ!?」

手首を踏みつけたハイプリーストは、どこから情報を得たのか、イシュアが誘拐れて犯され調教された事実を口にして、イシュアの瞳が恐怖で見開かれる。

「可愛い子犬ちゃん?たっぷり楽しませて貰うよ?」
「いっ…いやぁぁぁっっ!!パパっママっ きてっ!!!」

手は踏みつけられたまま楽しげにハイプリーストは言い放ち、その上に屈強な体格のロードナイトが伸し掛かってきて、衣服に手を掛けられると、あの瞬間の恐怖が一気に押し寄せてきて、悲鳴と共に泣きながら声を張り上げてスキルを発動させ。

「なんだっ?」

イシュアの悲鳴と共に、すぐ近くに柔らかなピンク色の球体の光が二つ現れ…

「なっ…!?」

その光の中から現れた人物に、男達は揃って目を見開き、あまりの驚きに言葉を失い。
光の中から現れた人物…
それはイシュアと親子の手続きをした、兄イクスとその夫シオンであった。

「ダークイリュージョン」
「ぐぁっ!!」

ほんの一瞬、男達が我に返るよりも早くシオンは淡いピンクの光が消える前に動き、イシュアの上に伸し掛かっていたロードナイトは悲鳴を上げ。

「ったく…直接オレ達に掛かってくりゃあいいのに、人の大事なモンに手ぇ出しやがって…
つくづく、養子にしといて良かったぜ…
てめぇら…オレ達の大事な息子に手ぇ出した事 後悔させてやる…」

いつの間にか男達の元からイシュアはシオンの手の中に攫われ、次の瞬間 イシュアをその腕に抱いたイクスの顔が上がる。
綺麗な顔立ちだが、誰も逆らえない程の鋭い視線が低い声と共に男達に向けられると、ごくりとあまりにもの恐怖に唾を飲み込んだ……





「大丈夫か…イシュア?」

全ての敵となった男達を倒してしまったイクスは、だきついていたイシュアにそっと声を掛けてやる。

「ヤラレたか?」
「だ 大丈夫ですっ!!」

小さく震えるイシュアに、殆どの敵を倒して傍に来たシオンはあっさりと思った事を口にして、イシュアは慌てて顔を上げて否定する。

「なら いい…早く宿に戻るぞ?イクス…」
「だな…話はそれからだ…」

屍累々状態で転がる男達はそのままに、あっさりとイクスはポータルを出して、シオンと共にその場を後にした。






「傷 大した事なくてよかった…」
「大丈夫だよ 縛られて…踏まれただけ…」

仮宿のベットの上で、手首の傷にヒールを施して貰いながら、心配そうなイクスに弱弱しくも笑みを浮かべて答えてやる。

「ごめんな…あいつら オレ達と敵対してるって言うか…」
「今までイクスに手を出して、俺が沈めた奴らだ…」
「おれは大丈夫…です…
いきなり呼んでごめんなさい…Wisで聞いてから 呼ぶつもりだったのに…
怖くて…」

イクスの膝の上に座ったまま、謝るイクスに首を横に振り、イシュアもいきなり二人の都合も聞かず召喚してしまった事を謝るが、瞳からは涙が零れ落ちて。



―どれくらい酷く犯されても、大丈夫だね
   一杯色んな男達を咥え込んで、躾られたんでしょ?可愛い顔してやらしいなぁ―


楽しげな笑いが、少し前に自分の身に起こった事を様々と思い出させ、自分の体を両手で抱きしめて、小さく震え始め。

「イシュア…」
「ごめっ…なさ…
兄さんの方が…もっと…ずっと酷かったのに…
あれくらいで…動揺 してっ…」

イクスと違い、一ヵ月にも満たない日々であった我が身が、こんな風に動揺して泣いてはいけない…そう、自分を叱咤する様に唇を噛むが、震える体と涙を抑えきれず、擦れた声で謝り。

「ちゃんと呼んでくれてありがとな…」

優しく囁いたイクスの腕に抱きしめられ、またシオンもそっと頭を撫でてきて、泣きながらイシュアは顔を上げる。

「遠慮せずに、ちゃんとオレ達を呼べばいい…
例え任務に行ってても、お前より優先する事は何もない…
オレ達は親子になったんだろ?だったら余計にそんな気遣う必要はないんだ…」
「でも…」
「つべこべ言うな 馬鹿息子」
「いだっ!」

顔を覗き込み、酷く優しくイシュアに気遣わない様に囁くイクスに、心配そうに言葉を紡ごうとしたイシュアの先の言葉を理解したらしいシオンがその頭に手刀を落とし、イシュアの悲鳴が上がる。

「身の危険を感じたら、即座に呼ぶ…いいな?」
「はい…」

殺気を隠そうともしないシオンから命令口調で言われ、反撃など出来る筈も無く小さく頷き。

「イシュア…怖かったな…」
「にっ…さっ…シオ ンさっ…ふっ…えっ…ふえぇぇっ…」

ぽふんっとイクスはイシュアの頭を撫で、もう一度顔を覗きこんでやると、抑えていた恐怖が溢れてきたのか、今度は素直にイシュアはぼろぼろと泣きながらイクスの腕の中に縋りついて声を上げて…






その夜…
イクスもシオンもそれぞれ寝る支度を終えて、ベットで寛いでいた。


「あの…」

風呂に入り、髪を乾かしたイシュアが、もじもじしながら遠慮がちに二人に声をかける。

「どうかしたのか?」

そんなイシュアの様子に、イクスが不思議そうに声を掛けると、真っ赤になりながら俯いて、寝巻の裾をぎゅっと握りしめる。

「あの あのね…
パパとママの間で今日は寝たい…です…ダメ ですか…?」
「……」

小さな子供の様に 恥ずかしそうに、本来呼ばない呼び方で、二人の間で寝たいと口にして、おずおずと見上げる。

「…よしっ こい!」

そのあまりの可愛さに、イクスは満面の笑みで両手を広げ、シオンもまた、軽く口元に笑みを浮かべて。
二人の様子にほっと笑みを浮かべ、もぞもぞと二人の間に行き、ベットに横になり。
いつもの様にシオンはイクスの頭に腕を伸ばし、腕枕をしてやり、イクスもまたイシュアを胸に抱き寄せ。

二人の間に包み込まれ、その暖かさを絶対的な安心感から、すっと体に入っていた緊張や力が抜けてゆき、心地よい眠気が襲ってきたイシュアは、イクスの胸に顔を寄せて。

「パパ…ママ…ありがとぉ…大好き…」

頬笑みながら小さく呟いたイシュアは、そのまますぅと眠りに落ちてゆき。





「あいつら…今度もう一度襲撃して 二度と歯向かわない様に叩いておくか…」
「そうだな…
オレ達の息子に手ぇ出した事もっと後悔させてやらねぇとな…」


眠った息子を囲みながら、薄暗い笑みを浮かべた親二人がいたそうだ…





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