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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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下弦の月⑤

とうとう⑤にまでなってしまった…
でも まだ終わらない^^;

今回は イシュア救出編 かな?
中々長くなった割には 話が進まない…;






「おい あれは紫苑…?」
「本当だ まだ生きてたのか…」
「あれが伝説にすらなってる紫艶の魔術師…」
「あいつに魅入られたら最後 骨まで残らないと言うぞ」

紫苑が会場に入ると その姿を見た客達がざわめき
ひそひそと噂話を始める
それを涼しい顔で聞きながら 案内された席に腰掛ける

『うふふ あ~この感じ久しぶりだわねぇ
私もまだまだ 知られているってことね
随分 コッチの世界には顔出して無かったんだけど…
注目されるって気持ちいぃわぁw』

出されたカクテルを口にして
自分に浴びせられる悪口ですら 心地よく
うっとりとした顔で周りと見渡してやる
目が合った途端 怯える様に目を反らせるのが堪らない


「失礼…伝説のウィザード 紫苑様とお見受けしましたが…」
「いつの間に伝説になったのかしら…
でも 紫苑で間違いないわ?
貴方は?」
「私はキルスと申します。お見知りおきを…」

紫苑の座った席の向かいに 紅い瞳に紅い髪をした
プロフェッサーが声を掛けてきた…






「どこおるんかなぁ…?」

リョウは姿を消し 建物をきょろきょろしながら歩いていた
シオンと二手に別れての捜索となったが
薄暗い中 ドアの先がどうなっているか分からない為
迂闊にも開けられない
そっと周りを伺いつつ 地下にある扉のひとつを覚悟を決めて開く

「なんや…ココ 洗濯置き場…?それともゴミ置き場か?」

中の部屋は大して広くなく
乱雑に色々な職の衣装や 武器
その他ゴミなどが置かれていて
リョウは中に入ってみる
暗くてよく見えないが 落ちている服は殆どが1次職の物…
そこにあったソードマンの服を手に取る

「まさか…イシュアはんのじゃ あらへんよな…」

ドクリと嫌な胸騒ぎが胸の奥で湧く
その服から カランっと何かが落ちて
慌ててリョウはそれを拾い上げる

「ホワイトスリムポーション?」

スリムポーションに 『サカキ』と銘が入っていた

「…もしかしたら…」

勿論 この服がイシュアの物だと断定は出来ない
だが、リョウはなぜかこの服がイシュアの物だと確信し
冷たい汗が額を落ちる
マップでギルドマーカーを探しシオンを見つけると
リョウはその服とスリムポーションを握り
急いで駆けだした…



「くっ…ぁっ…ぁぅっ…!」

地下の一室から 苦しそうな それでも淫美な声が
切なく漏れていた

両手と両足にはぶこつな足鎖が嵌められ
細い首にはマータ―の首輪まで着けらている
手は前にある檻の格子について 腰を後に突き出す格好で
後から激しく 他の男がその体を犯していた

「うっ!あっ…出るっ!」
「あぁぁっ!」

容赦ない動きで 男はその小さな体を激しく貫き
恍惚とした表情で 思い切り中に自分の欲望を吐き出す
犯されていた小さな体は 背中を仰け反らせて
小さく悲鳴を上げ そのまま崩れ落ちてしまった

「はぁ~ 気持ちよかった~」
「お前 もうすぐ客の前に出すのにヤルなよな…」

満足そうにローグは声を上げ
力が抜けた相手をそのまま地面に放り出して
自分のズボンに中なら抜き出した物を拭いてからしまう
その様子に呆れた顔のアサシンは 文句を言いながらため息をついた

「だってよ こいつここまで仕込んだの俺だぞ?
だからヤリ納め~
かなりこいつの中 気持ちいぃからなぁ?」
「仕込んだって…単に好き勝手に犯しまくっただけじゃん…
あぁ もう…死んだらどうすんだよ…
ってか、もうこいつ 売られた後すぐ死ぬんじゃね?
時間無かったし かなりきつめに薬打ったしな…」

偉そうに腰に手を当てて自慢するローグに
より深いため息をついたアサシンは犯された小さな体…
イシュアの元に歩くと髪を掴んで顔を上げさせ
感情など全て抜け落ちた人形となり まるで生気など無い顔を見て
軽く舌打ちをしてから 乱暴に手を離し

「ま…どうせこいつらがこの後どうなるかなんてカンケ―ねぇし?」

そう言ってローグが見渡す周りには
沢山の大きな檻があり
その中に年端も行かぬ少女や少年達が
やはり手と足に鎖を付けられ
全く生気の無い顔で閉じ込められていた


「さぁて もうすぐこいつらも出品しねぇとだから
体拭いといてやらねぇ…っ!?」
「ぐぁっ!!!」

アサシンはタオルを手にしてイシュアの腕を掴んだ途端
背中から聞こえた声に驚いて振り向き

「ぁっ…!」
「アサシンが油断するんじゃねぇ…」

振り向いた瞬間には アサシンの目は見開き
自分をカタールで切り捨てたシオンに何を言う事もなく
そのまま絶命して地面の倒れ

「…」
カタールの血を払い そこに倒れている青い髪の少年
イシュアを見下ろすと
膝を付き 肩を掴み自分の方に体を向かせる

「っ!」

さすがのシオンも思わず目を見張ってしまう
イクスの顔を 幼くもっと少女の様にした顔には
以前見た表情などは無く
開かれた瞳は全く光は宿っておらず暗く濁っており
痩せた腕に黒々と残る注射針の痕から
もう イシュアの意識がここにない事を実感する

「シオンはんっ!うぉっ!?」

ギルドマーカーを追ってきたリョウは
その部屋を勢いよく開けて中に入るが
目の前に血まみれで倒れているローグとアサシンに
思わず声を上げて驚く

「見つけた…」
「あぁ 良かったわぁ…
…これは…あかんな…」

血まみれの遺体の向こうから シオンは短くつげ
リョウは駆け寄ってほっとした顔を見せるが
そこにいるイシュアの表情を見て 目を見張り
辛そうに声を絞り出し

「ある意味 イクスはんがこんくて良かったかもなぁ…
あ!そやっ もしかしたらちったぁマシかもしれんっ」
「?」

そう顔を少し明るくして リョウは手に持っていた
サカキ印のスリムポーションの蓋を空けると
ゆっくりその口に注いでやる
次から次に 飲み込む事が出来ず口から溢れてゆくが
こくり と小さく喉が動き
ほんの僅かだが ポーションを飲み込むと
すぅっと息を吐き出し 焦点が全く合わない瞳が微かに揺れる

「おにぃ…ちゃ… ごめ…なさ…」

大きな瞳から涙があふれ出し シオンの手を力の無い手で握り
小さく謝ると そのまま意識を手放し目を閉じてしまい
リョウは裸の体に持ってきたソードマンの上着だけでもと
掛けてやり

「すぐ出るぞ」
「でも、ココにおる子達…このまましとってえぇんやろか…」

出ると言われて 周りの檻に入っている子供達を見渡す
これだけの事が目の前で起こっていても
誰ひとり その表情を変える事はなく
ただ虚ろな瞳が開かれているだけであった

「俺達の役目はこいつを連れていく事だけだ…
他は騎士団とかがやってくれるだろう…」
「そやな…わぁったっ」


シオンはイシュアを抱え リョウと共にその部屋を後にした








「おや…」
「どうかして?」

オークションに盗品などの珍しい高級品が出品されている中
キルスは紫苑との会話をいきなり打ち切り
舞台の方を見て
紫苑は怪訝そうにキルスを見つめ尋ねて

「いえ…ちょっとボクは用事を思い出しました
これにて失礼します。
貴方にはいつか ボクのギルドに入って欲しい… 紫苑様」
「まぁ 考えくわボーヤ」

席を立つと丁寧にお辞儀をするキルスは
最後に紫苑にギルドへと誘い
ひらひらと紫苑は手を振ってから別れて

「さて…」

そっと白紙の紙を取り出した紫苑は
すらすらと紙に書いてゆく


『二人が脱出したみたいよ?今から追手が動き出すわ』







「イクスくん アルくん もうすぐシオンくん達が帰ってくるよ
でも、気付かれたみたい…
いつでも逃げれる用意をして?
ポータルだともっと危険だから 蝶で逃げるよ?」
「うんっ」
「分かった…」

手元のスクロールに書きだされた文字に
双月は待機していた二人に声をかけ指示を出し
イクス達はいつでも戦える様に構えて

「はぁいっw」
「うわぁぁっ!!!」

緊張が走っていたその空間を いきなり陽気な声が打ち破り
さすがの三人は思わず大声を上げてしまう

「いやぁねぇ…何 その反応…」
「一体君はどっから出てくるんだっ!」

三人の化け物でも見る反応に 口を尖らせて紫苑は文句言うが
双月はすぐ横の茂みから突然姿を現わした紫苑に
冷静さを掻いて怒鳴ってまう

「うふふ 突然出てきた方が楽しいでしょう♪
で…まだ リョウくん達は来て無いのかしら?」

楽しげに笑いながら答え キョロキョロと目当ての相手がいないか
見まわし

「あっ!リョウとシオンだっ!」

慌てて建物の方を見たアルは
こちらに走ってくる二人を見て指を指す
その後には 沢山の追ってが建物から出てこようとする所であった

「アルくん アイスウォールでリョウくん達と追手の間に
壁を作って ちょっとの間時間稼ぎなさい?」
「え?あ…は はいっ!
氷の精霊達を 力を貸したまえっ!アイスウォールっ!!」

いきなりの紫苑の提案に アルは戸惑いつつも
杖を構え アイスウォールを繰り出し氷の壁を作り
なんとかリョウ達が来るのを援護するが
自分と追手との距離が遠過ぎて 大きな壁が作れず
何度も魔法を繰り出し

その中をアルの少し前に出た紫苑が杖を構える

「久々にぶちかますわよ…
氷の女神よ 我との契約に基き その力を示し給え…」

ふわりと紫苑の足元に魔法陣が広がり
マントが風にはためき 青白い光が浮かび上がる
いきなり雲行きが怪しくなり
建物を上を暗黒が立ち込め…

「氷の息吹を…ストームガストっ!」

そう紫苑が唱えた瞬間
リョウとシオンの後ろは全て吹雪きに包みこまれ
その吹雪きが収まるとみえてきたのは
追手と建物全てが氷付いており…


「な…なにこれ…」

同じハイウィザードのアルは あり得ない力に
呆然と立ちつくし
さすがのイクスも 今までみた事もない力に
呆気に取られ

「ほら…二人がきたよ」

呆気に取られてしまっていた二人に双月が声を掛けると
ハッとして 走ってきた二人を迎え

「シオンっ…イシュアは…」
「今は見るな…行くぞっ」

腕にイシュアを抱えていたシオンをほっとした顔で見て
掛けよったイクスに シオンは無表情のまま
イクスのイシュアを見せる事はせず
蝶で飛ぶ事を促し
その場にいたリョウ、アル イクス、シオン
そして 双月と紫苑は供に蝶を握り潰して…











闇だけであった世界がもうすぐ明ける
冷たい冷たい 世界の夜明けが…






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  • by もちきん
  • 2012/02/25(Sat)20:58
  • Edit
イシュア君がやっと救出されて、ほっと一安心です。
おぉっ!!白スリムがお役に立っているっ!嬉しいです(*´▽`)
紫苑さんがなんかすごくて、これから深いお話がどんどん出てきそうですね!大変いじりたいです(オイ
イシュアくん大丈夫かしら・・・お兄さんとはどうなっちゃうのかしら・・・とっても気になります!!

もちきん様

  • by 月宮
  • 2012/02/26 10:40
アルさんからサカキ印のスリムポーションを貰った話を書いて頂いた時に、命が尽きる前に飲んで、助かる…みたいな話を作ろうと思ってたので、やっと書けましたw
本当は、イシュアがこの事件に巻き込まれた事を知ったアルさんが何かしら動くとかも考えたのですが、どうアルさんの耳に入るとか考えつかなかったので、諦めました(^^;)
紫苑は…ハイウィズ所かウォーロックでも敵わない魔力の持ち主設定なので、きっと面倒だから建物ごと凍らせるだろうな~ と思って、書いた場面だったりとか(笑)
えぇもう、うちの奴らはいつでもいじくりまわしてやって頂けると嬉しいですw
イシュアはこれからどうなっていくのか…楽しみにしてて下さい☆(本人もまだ考えてないだけとか言わない…ww

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