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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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やっぱり寂しいと思う

東雲さんの
ジャワイ島の一番寒い日 の残ったイシュアがどう過ごしているか…
と考えて ちょっと書いてしまった…

やっぱり二人と離れて まだまだ一人で過ごせないイシュアがいたりします^^;
そして 両親がイチャイチャしてるので
最後はゴーストとちょっと距離縮めてみようかな…とか 勝手にしてしまいましたっ
済みませんっ(汗



双月との絡んだ話も もうちょっと考えていたのですが
全部考えてたの入れたら かなり長い話になったので、今回は削ってみました…


東雲さんにいらないと言われそうだけど 捧げますっ







「パパ ママ 行ってらっしゃい!」
「あぁ イシュアもイイ子で待ってるんだぞ?
土産買ってくるからな?」

ジャワイ島行きの船着き場で、イシュアはイクスとシオンを笑顔で見送り、イクスは一度イシュアを抱きしめて額に口づけを落とし、シオンも無言のままイシュアの頭を撫でてから、船へと足を向けて。

「じゃあ双月さん イシュアを宜しくお願いします」
「うん 任せて。
こっちの事は心配しないで楽しんできてね?」

イシュアの少し後にいた双月にイクスは申し訳なさそうに頭を下げ、双月はにこやかに手を振って二人を見送り。

「兄さんとシオンさん…これで二人っきりでゆっくり過ごしてくれるでしょうか…?」
「それは大丈夫だよ。きっとジャワイではゆっくり仲良く過ごしてくれるよ。
なんてって 可愛い息子からのプレゼントだからね?」
船が遠くなっていくのを見ながら、イシュアは少しだけ寂しそうにぽつりと呟き、その頭を撫でながら双月は笑顔で答えてやると、安心した様に笑みを浮かべ、もう一度すっかり遠くなった船を見つめ、その姿が水平線に消えてなくなるまで見続けていた。




夕飯はイクスとシオンがいない寂しさを紛らわしてくれる様に、リョウ達が賑やかな物にしてくれて、楽しく暮れて行った。
そして風呂に入り、ホテルで宛がわれている部屋に戻る。
今は双月は入れ替わりに風呂に入っていて、この部屋には誰も居なかった。

「この部屋…こんな広かったんだ…」

誰もいない部屋を見渡し小さく呟く。
3つのベットに、いつでも移動出来る様に荷造りしたままの荷物、僅かに出して畳んである衣類と壁に掛けてある制服…
ギシッと音を立ててベットに腰を下ろす。
いつもだったら、この場所で寛いでいるイクスから髪を乾かして貰ったり、シオンからちょっかいを出されたりしているのだが、その何もない空間に妙に泣きそうになってしまう。

「兄さんが出て行った頃を思い出すな…」

5歳位の頃…唐突にきた兄イクスとの別れ…
初めて一人きりになった事に一体どれだけ泣いたのか分からない。
いつかまた…兄はシオンと共に自分の前から姿を消してしまうのではないか…
いつも抱えている不安がいきなり溢れ出てきて、ぽたりと涙が零れ落ちてしまい、慌てて涙を拭い顔を横に振って、その不安を無くそうとしてから、暗い窓に顔を向ける。

「兄さんとシオンさん…ママとパパは 今頃愛し合ってるのかな…?」

いつも自分と一緒にいる為にシオンに素直に甘えられないイクスと、自分がいる為に二人きりで愛し合えないシオンに申し訳なくて、二人きりで過ごして貰える様にジャワイ島のチケットを頑張って買えるまで稼いだのだ。
きっと今頃、お互いに素直に、欲望のままに愛し合っているに違いない。
嬉しいのと…そして、やはり自分は邪魔なのではないかという思いが交錯する。

「早く…クルセにならないと…
そうしたら…遠征とか討伐隊とかの任務に志願して…長く帰ってこれないから…そうすれば兄さんとシオンさんは二人きりの時間が過ごせるよね…」

少しでも二人の存在を感じたくて、ベッドに入り枕に顔を埋めると、シオンとイクスの香りがして、小さく息を吐きだしながら呟き、未だ頼りない小さな自分の手を見つめ…

「もう寝ちゃったのかな?」

風呂から上がってきた双月は、布団の中で枕を抱きかかえ子猫の様に丸くなっているイシュアを見下ろして、頭を撫でてからお休みのキスを額に落としてやり…




「はぁっ…ぁっ…」

深夜の薄暗い部屋に苦しそうな声が響く。
イシュアは胸を抑え、小さな体をより小さくして縮込まり、ガタガタと体を震わせる。
暫く見て居なかった悪夢…
何度となく何度となく、代わる代わる男達が伸し掛かり、無理やりその体を開き、楽しげな笑い声が響く…
(イヤだっ!!イヤだっっ!!お願いっ 誰かっっ!!)
上がらぬ悲鳴を上げ、必死にその場から逃れようと身を捩り…
(兄さんっ!シオンさんっ!…ゴーストさんっっ!!!)
幻の様に浮かんだその姿に縋る様に手を伸ばすが、一瞬にして消えて…
現れたのは、自分を調教する様に命令したプロフェッサーの男…
『さぁ…子猫ちゃん…』
伸ばされた手は自分の腕を掴み、再び闇の中へと……

「イシュアくんっ!!」
「っーーーーーっっ!!!!」

その闇の中に響いた声に一気に意識が浮上し、悲鳴にならない声を上げて目を見開き。

「はっ…ぁっ…そう げつ…さん…?」
「そうだよ…双月だ…
ここはあの場所ではないよ…だから 大丈夫……」

ぼろぼろと涙を溢れさせながら双月を見上げたイシュアは、荒い息を吐きだしながらその名を呼び、イシュアがどんな悪夢を見ていたのに気付いた双月は、汗に濡れた額を撫でてやりながらそっと大丈夫だと繰り返し囁いてやり。

「はぁ…っ…ごめん なさぃ…
だい じょうぶ…です…だいじょうぶ なんです…」
「……」

少しずつ息を整えながら、泣いた顔を隠す様に枕に押し付け、体を小さく縮ませながら、自分に言い聞かせる様に呟き。
小さな体を震わせながらも、甘えてこない事に双月は切なそうにイシュアを見つめ、その頭に手の触れさせて。

「もう 怖い夢は見ないから…ゆっくりお休み……」

薄暗い闇の中で、翡翠の双月の瞳がふわりと光を帯び、そっとイシュアに囁いてから、イクスが歌うグロリアの旋律を口ずさんでやる。

「まま…ぱぱ…」

いつも聞く聞きなれた旋律に、緊張した体が解れていくのを感じ、小さく息を吐きだしてそのまま眠りへと落ちてゆき……






「イシュアくん…目の下にクマ 出来てるぞ?」

翌日 ゴーストとランチの約束をしていたイシュアは、プロンテラの城壁外の心地よい木陰で弁当を広げていた所、目の前にいたゴーストに言われて、びくっと顔を上げてしまう。

「え えと…ちょっと あまり寝れ無くて…」
「そうなのか?それなのにこんなに弁当を作って…無理しなくていいのに…」
「いえ…早く起きちゃったし 何かしてる方が気が紛れるので…」
「え?」
「あ いえっ!どうぞ!良ければ食べて下さい!」

言い淀むイシュアにゴーストは訝しげな顔をするが、慌ててイシュアは笑顔を作り、広げた弁当を促す。
目の前にはからあげや卵焼き、タコさんウィンナーにおにぎり、かぼちゃの煮つけに揚げモノ、サラダやフルーツ…様々な物が色とりどりに並べてあった。
いかにも寝不足というより、泣き腫らした様なイシュアに分からない様に息を吐きだしてから、弁当に手を伸ばす。

「ん うまいっ」
「そうですか?あぁ よかった…」

ゴーストの反応にイシュアは嬉しそうに頬笑みながら、ポットから注いだお茶を手渡した。

「はぁ マジ美味かった…
本当にイシュアくんは料理が上手いな?」
「そう言って貰えて 凄く嬉しいですっ
ゴーストさんとランチだって思ったら、なんか張り切っちゃって一杯作り過ぎちゃって…」

褒められた事で顔を赤らめながら弁当を片付けるイシュアがひどく愛おしくて、そのままそっと肩に腕を回して抱き寄せて。

「ゴ ゴースト さん…?」
「……暫くこうしてるから…少し休め…」
「え…?」
「目を閉じて…オレに寄り掛かれ…
オレはイクスの代わりにはなれないけど…甘えてもいいんだから…」
「っ……」

抱き寄せられ、ゴーストの胸に寄り掛かる格好となったイシュアは驚くが、ゴーストの言葉と優しさに目を見開き、おずおずと控え目にその言葉に従い全身をゴーストに預けて。

「……あったかいです…」
「そうか…」

顔を寄せる胸や背中に回った腕…腰を支える手…
全てから暖かさが広がり、そして胸が高鳴り、内に潜んでいた恐怖が解け消えていく感覚に、イシュアはそっと呟き、ゴーストは小さく答え。

「ありがとうございます ゴーストさん…
おれの事…イシュアって よんで くださ ぃ…」

胸に顔を埋めたまま、小さく礼を言ったイシュアは、自分の事を呼び捨てにして欲しいと願いを口にするが、そのまま寝息へと変わってしまい。

「……なんつーか…無防備過ぎる…
ここでオレが襲ったらどうすんだよ…全く…」

全身を預け、すっかり安心しきって眠ってしまったイシュアを見下ろしながら、顔を赤くしつつ空いた片方の手で頭を掻きながらため息をつく。

「……イシュア……」
「んっ……」

眠るイシュアにそっと呼びかけてやると、小さく身じろきをして胸に顔を埋め、その小動物の様な甘えた仕草に思わず胸を余計に高鳴らせながら、本当に触れるだけの口づけをイシュアの唇に落とすと、柄にもなく真っ赤になりながら、青い空を仰いだ。


青いイシュアの髪の様な空から舞い降りた風に
そっとゴーストの髪を優しく撫でていった…


そんな日の午後……





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  • by 東雲
  • 2012/11/22(Thu)16:54
  • Edit
二人共、暗殺者なんで突然死ぬって事もありますしねぇ(ニヤリ)。ゴーストことリジェクトと結ばれたら案外アッサリ皆の前から消えそうですが(爆)そこはまだ考えて無いので何とも言えませんが。
我が子の初めてのお遣いを見守る両親の如く、クルセの遠征や討伐隊に志願したら二人でゆっくりするんじゃなくて、こっそりストーキングするに百票を投じます(笑)そしてイシュアに邪な感情で触れようとしたら謎の力で止められたり、移動中散々な目に遭ったりするんじゃないかなぁとかイシュア一人だけその現象に気付かないとか。そんな妄想を一人でして、萌え萌えしてました。
恐怖やトラウマは簡単に拭えないよね、今夜は精神安定剤たるママが不在だから(泣)と思ってましたが、最後はゴーストの胸の中で安らかに眠ってくれてて可愛いwwで終わって良かったですv
イシュアが起きるまでゴースト君は生殺し状態だろうなぁと考えたら一人ニヤニヤした不審者になりました。
捧げられたので遠慮なく頂きますv ご馳走様でした~

東雲様

  • by 月宮
  • 2012/11/23 00:22
いやぁぁぁっ!!イクスとシオンが突然亡くなったり、目の前から消えたりしたら、イシュアはリジェクトがいても発狂しますよ!!の前に私が叫びそうだ……
イシュアがクルセになったら、ストーキングっ(爆)
素晴らしい母と父ww
それこそ邪な想いを抱いたりする輩はかなり多いでしょうから、イクスとシオンがこっそり手を出して、イシュアの体は護られると…
イシュアもイクスと同じで、成長する度にエロくなっていくでしょうからねぇ…可愛い顔なんだけど、腰付きや雰囲気がエロい感じな…それこそアリスっぽくなるのかな?
で イクスがサンキュパスみたいに妖艶美女になっていくと…ww
うはっ!これから先も楽しそうです♪妄想しまくってしまいますよ☆
リジェクトくん事ゴーストが ちょっと生殺し状態で可哀想だなぁとか思ったりしたんですが、これから益々お互い意識していってくれるだろうと、甘えさせてみました♪
この2人もまた、これからが楽しみですw
受け取って下さって有難うございましたw

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