「あ あんな所で…抱きあってるのに…敵が襲ってこない…」
ココモビーチで一人寂しく狩りをしていたイルシアは、そのビーチの海辺で密か?に抱きあっているイクスとシオンの姿を目にして、思わず顔を赤らめながら固まってしまう。
二人だけの世界で抱きしめ合っている二人の周りには、シーオッターなどがウロウロいるのだが、まるで二人の間だけバリアーが張られた様に攻撃してこないのだ。
「も もしかして…このビーチは…恋人達には敵が襲ってこないのか…?
前、俺とウォレスが海水浴に来た時は襲われたけど…
はっ!きっと恋人同士じゃなかったからかっ!!
きっと…今なら大丈夫なんじゃないかっ!?」
二人のイチャつきぶりに、岩場の陰から真っ赤になりつつ、なぜ二人に敵が襲ってこないのか悩んだ末、考えついた答えに閃いた顔をして、拳を握りしめると、自分に言い聞かせる様に何度も頷く。
数日後…
「にーちゃんとココモビーチに来るのも久しぶりだなぁ~」
波が打ち寄せる浜辺で、ウォレスはイルシアの膝に座り、海を眺めながら背伸びをする。
「そうだな…」
イルシアも背中からウォレスを抱きしめながら嬉しそうに頷く。
場所は先日シオン達がイチャついていた場所…
そこでイルシアはウォレスを抱きしめていた。
きっと今から敵なら攻撃されない筈…
「あっ にーちゃん!シーオッターが来るっ」
「いや…きっと大丈夫だ…」
「へ?やばいってにーちゃんっ!早く倒さないと攻撃されるよ?」
「大丈夫…このまま……」
こちらに向かってくるシーオッターに気付いたウォレスは慌てて弓矢を手にして、イルシアに忠告するが、イルシアは穏やかな顔でウォレスを抱きしめ、さすがにウォレスは顔を青ざめて慌て、それでもイルシアは動く事なく…
「うおぅっ!?」
鈍い音が響き、イルシアの悲鳴が上がる。
「にーちゃんっ!!ダブルストレイフィングっ!!」
即座にイルシアの腕から飛んだウォレスは弓矢を構え、シーオッターに向けて放ち、そのまま敵は消滅してしまった。
「にーちゃん……?」
「な なぜだ…まだ恋人同士だと認められないのか……いや…まだ、キス…だって出来てないし…だからかっ…」
一体どうしたのだとイルシアを振り返ったウォレスは、膝と手をつき項垂れて、ぶつぶつ言ってるイルシアを見て首を傾げる。
「ん~と…にーちゃん…元気だせ?」
「ウ…ウォレスっ!!」
なんか、泣きそうなイルシアに近付いたウォレスは、ぽんぽんと頭を撫でて励ましてやり、そんなウォレスを情けない顔で抱きしめるイルシアがいた。
その姿はまるで、馬鹿ップルというより、親バカであったが…
そんな恋人未満な二人のある日の日常…・
[0回]
PR
COMMENT
No Title
それは置いといて、イルシア可愛い!! そしてイルシアに見られていたのか(爆)と一人、声を押し殺して肩震わせて笑うちょっと怪しい人物になってました。
因みに、シオン達が居たのはシーオッターが居るココモビーチじゃなく、オットーが居るココモビーチの離島っぽくなっている所です。もう少し丁寧に背景とか描けば良かったんですが、めんどk……すいません。
シオン達が襲われなかったのはきっとオーラじゃないですかね!? シオンがイクスに今抱き締められてんだ、てめぇら近付くんじゃねぇぞ? という感じで。
可愛いお二人、ご馳走様でした~v
東雲様
いかつい男ですが、結構素でボケなんで、シオンが殺気を放ってたから敵が来ないとか、考えつかないボケっぷりです^^;
そして、恋人同士だから敵来ないって考えに至る…さすが頭が足りないアルケミ(爆)
やっぱりオットーがいる方だったんですね…多分そうじゃないかなぁと書いた後に思ったんですが…済みませんでした(謝っ
書きなおせば良かったんですが、書き直しそびれてしまった;
でも、東雲さんの可愛らしいイクスとシオンこそ、大変ごちそうさまでしたw