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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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月夜の銀色の花に口づけを

紅露さんが書かれた 宵闇が明ける時の続きと言いますか…
イクスとシオンが無事に帰ってきた後の、ライとそして双月の小話をどうしても書いてみたくて
書いてしまいました。
ライと双月をくっつけたら 大人なイイ感じになるんじゃないか…
と、ROデートをしていた時、紅露さんと話して出来あがってしまったカップルですw


エロ無しで ちょっと大人な話の ライ×双月…
な筈だったんですが、けしてそうならなかったのは何故だろう…
ちょっと紅露さんとの話の中で、襲う様にキスしちゃったら…とか、色々案が出ちゃいまして
キスのみはしてます…それもディープで(笑)


紅露さんに捧げさせて頂きます☆














「俺はっ 大人になったら双月を嫁さんにするんだからなっ」

そう言っていた小さな子供は、いつの間にかボクの背を追い越し
外見だけはボクより歳を取ってしまった。
子供の彼を見捨てて置けなくて保護したのは、いつだったか…
親に捨てられ荒んでしまった心
それが懐いてくれ、甘えてくれた時の幸せ
子供を作らなかったボクは その子を我が子の様に父として育てた
共にいるのがとても幸せだった。

まだまだ子供な彼が ボクを嫁にするなんて言う事も
本気でなんて捉えていなくて…
彼が大人と対等になる頃、それが本気だと知る…

そして ボクもまた…






月明りの綺麗な夜
アサシンギルドがあるソグラド砂漠へと双月は足を踏み入れた。
砂漠独特の夜の冷たい風が、月明りに照らされた漆黒の髪を揺らし、静か過ぎる程の砂漠を軽やかに歩く。
迷い無くアサシンギルドの砦に近づき、そこからほんの少しだけ離れた岩場へと足を向ける。
その岩場の上に、銀色の髪を月光に照らしている相手を認め、そっと笑みを深めると、背中に背負ったリュートを手にする。

「イドゥンの林檎」
「っ!?双月っ?」

不意に静かな空に響いた曲に、そこにいた人物…ライは驚いて振り向き、その相手の名前を呼ぶ。
やっと気付いたライに、双月はくすくすと悪戯っぽく笑いながら曲を止めて、ふわりと軽やかにライの居る岩場へと飛び上がった。

「暗殺者が背後に気付かなくてどうするんだい」
「アンタの気配を気付ける奴の方が滅多にいないよ…」

隣に腰を下ろした双月の楽しそうな顔に、ライは口を尖らせて、どこか幼い表情を見せる。

「…よかったね…君の大切な息子達が帰ってきて…
生きていてくれてよかった」
「…あぁ…本当に良かった……」

そんな子供っぽい表情を見て微笑み、そして満天の星空に視線を向けた双月から出た言葉に、一瞬言葉に詰まったライは、息を吐きだす様に呟き。

「本当に良かったよ…
覚悟をいくら決めていても…大事な子供達を失いたくないんだ…」

握りしめた拳を強く握りしめて、小さく震えながら言葉を紡ぐライに、双月は手を伸ばし、自分の胸にその頭を抱き込む様に抱きしめる。

「っ…双月…?」
「ボクも嬉しいよ…イクスとシオン君…
そして君も生きていてくれて…
今度イクス達に会った時は有難うって言わないとね?
ボクの大事な息子を守ってくれた…」

すっかり大きくなったライを昔の様に抱きしめ、双月は優しく囁きながらその銀色の髪を撫でてやる。

「子供じゃないんだけど…」
「ずっと…彼らが死んだって知っても我慢してたじゃない…
今はもう…甘えてもいいと思うけどな?
ボクは唯一…子供の頃の君を知っているんだから…」
「本当に…卑怯だよね…双月は…っ…」

いつもと変わらぬ温もりに包まれ、愛おしそうに頭を撫でてくれる双月の言葉に、どこか子供染みた声で拗ねた様に返すが、それはもう言葉になる事はなく、双月の肩に顔を埋めたまま、ライはその大きな肩を小刻みに震わせ、すっかり自分より小さくなってしまった双月の背中に腕を回して抱きしめて…



「生きていてくれて有難う…ライ…」
「双月を置いて そう俺は簡単には死んだり…っ!!」

静かに、月明りに照らされたまま、ずっと頭を撫でてくれる双月に身を委ねその温もりに包まれたままのライの髪に口づけを落とした双月はそっと囁き、その言葉に言い返したライは思わず言葉を止めて、一瞬固まったかと思えば、真っ赤になった顔のままバッと双月から体を離し。

「い 今のは無しっ!俺って言ったの 無しだからなっ!」

一瞬、双月と一緒に暮らしていた頃の、本来の自分が出てきてしまった事にライは真っ赤になって、ムキになって大きな声で双月を睨むが、その様子があまりにも昔のままで、双月は嬉しそうに、そして楽しそうに笑い。

「もう…本当に…ボクの前では構わないのに…
そんなに大人ぶらなくてもいいんだよ?」
「言っとくけど双月…僕はもう40前なんだからねっ
十分過ぎる位大人なんだからっ」

涙を浮かべて笑う双月に、すっかり拗ねた顔で怒った様にライは言い放つと、バツが悪そうに顔を背けて。
そんなライがなんとも可愛く、そしてあまりにも昔のままで、涙を拭った双月はその大きな背中に顔を寄せて後から抱きしめてやり。

「イクス達の前で見せる姿の君も、暗殺者としての君もとても魅力的だしカッコいいけれど、ボクと二人きりの時だけは、その心のままにいてよ…
昔も言ったけれど…君のその手がどれだけの血で染まろうと、どれだけの命を殺め様とも、ボクはこの手が好きだよ?
どれだけの血を流そうとも、自分の大切な者と、そして自分を護る様に言ったのはこのボクだ…
この先もずっと、ボクは世界の全てが君の敵となろうとも、君が好きだよ…ライ…」
「っ……」

背後から伸ばした手をそのままライの手の甲に自分の手を重ねて、背中に顔を寄せたまま静かに紡がれた言葉にライの肩がぴくりと震える。
不意に重ねていた手にライの手が重なり、体ごと双月に向いた途端…

「んっ…ぅっ……っ」

まるで噛みつく様な勢いでいきなり唇が重なり、そのまま両手首を掴んだまま岩場に押し倒たおされ、上に伸し掛かかりながら、双月の口腔へと舌を入れ込んでくると、犯す様に激しくその舌を貪って。
舌が絡まり、吸い上げられる度に、苦しそうだが艶のある声が微かに漏れて。

唾液が糸を引きながらやっと唇を離したライは、押し倒した双月を見下ろし。


「今はまだ忙しいから、コレだけね。
次来たら、我慢出来る保障は無いからね」

それだけ拗ねる様に言い捨てると、もう一度その濡れた唇に口づけて、あっという間に逃げる様に姿を消してしまう…





「……まいった…」

暫く冷たい岩場に倒れ込んだまま動かなかった双月は、自分の近くに誰の気配も無い事を確認してから小さく呟くと、赤くなった顔を隠す様に両腕で自分の顔を隠して。

「まさか…キスされるとは 思ってみなかった…
だって今まで 慰めで抱かれる事はあっても…キスなんて無かったから…
あぁ…もう……」

ハッキリと感じたライからの好意…いや 今まで気付かないフリをしてきただけで、分かってはいたライからの愛情が遠慮無しに一気に伝わり、珍しくも動揺してしまっている自分の想いに戸惑い、双月は深く息を吐きだす。
恐らく次会った時は、ライの事だ、昔の様にストレートにぶつけてくるだろう。
果たして自分はそれを交わす事が出来るかどうか…


100年程生きて来た双月が 初めて逃げられないと思うほどに
自分が思いの他 ライに恋していたと気付いた…そんな初めての日であった…

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  • by 紅露
  • 2013/07/21(Sun)20:19
  • Edit
こんばんわ、紅露です。
連絡を頂き、早速拝見しに来ました!
えっと、最初に言う事じゃないんでしょうが、サイト名ですが、投げた槍が~では無く、「ゴミ箱。」です。
後、双月が隣に座った後のライは口を口を尖らせてとなって口をが重複してます。すいません。
普段の頼りなさげにヘラヘラ笑ってるライや、イレイザーとして冷徹なライの唯一、素に戻れる相手である双月さんとの絡みはほんわかして、良かったです。
どんなに大切な子供たちが増えても、最後に帰る場所は双月の隣である事だと実感です。
自分じゃ、書けない雰囲気だったので新鮮でした。
ご馳走様でした~v

紅露様

  • by 月宮
  • 2013/07/21 21:14
コメ有難うございますw
ご指摘大変助かります!
早速訂正させていただきました☆
また何か訂正などの部分があれば、お知らせくださいませ。
普段イクス達と接しているライよりも、ずっと甘えん坊で子供っぽいライにしてしまったのですが、良かったと言われてホッとしました(^^)
双月はそれはそれは、愛情いっぱいに育てたと思うので、今でもライの事は子供扱いして、そしてなんだかんだと双月に弱いライw
でも、次に会ったときが楽しみww
どうするんだろうなぁ ライは♪ と、一人で考えて萌え萌えしてるので、今度デートしたときにでも、お話したいです☆
この二人を書かせて頂いて有難うございますw

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