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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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散り行く華に贈る唄④

やっと…終わります…
1話完結の筈だったのにな…なんでこんなに長くなってしまったんだか…


イシュアは助かったのだが、その代償としてのモノが目覚めてしまった……


そして今回この話を急いだ理由の一つが、
六葉さんがなんと 誕生日リクを受けて下さるという事で、
つい この話の続きを書いて下さい! とリクしちゃったもんだから
自分で自分の首を絞めたと(笑)
特にちょっとプライベートで 法事の準備やら法事やらが続いて、来週まで軽くパソさんに触れなさそうでしたし(T T)
って事で、この話の後の目を覚ましたイシュアを取り巻くイクスやシオン達や 
出来れば倒れた双月が目を覚ました後の話も書いて頂ければなぁと…
勝手に妄想しながら六葉さんにリクというバトンを投げつけさせて頂きます!!
(あ 無理な時は言って下さいね?)










『イクス…さっき話せなかったから、ウィスで伝えるね…』
『双月…さん…?』

不意に繋がったウィスの相手に、イクスは驚いた様に声を上げるも、そのまま疲れ切った様子の双月は申し訳なさそうに話を続ける。

『今回…かなり無理やりイシュアを治癒力を高めて、イグドラシルの力を与えてしまったせいで…イシュアの眠っていた力を目覚めさせてしまった…
恐らくイシュアは、イクス達と同じ、結界一族の総長になるだけの特徴と魔力を持ってる…』
「っ…!?」

双月から告げられた言葉にイクスは一緒ん言葉を失う。

『一応表向きはわからない様に力に鍵を掛けたから…見た目では分からないと思う。
特にプリではないし、剣士である今は大丈夫とは思うけど。
これからは感情の起伏で感じていただけだった人の感情が視えてしまったり、クルセイダーになって聖なる力を得た時に…思いもよらない力が働く可能性がる。
それをうまくコントロール出来るようになればいいけど…
今はイクスとアレス君がいるから…目覚める事は無いとは思うけど、
正直…もし目覚めたとしても、あの体が力に付いていけるかは分からない。
僕も出来るだけの事はするけど…気を付けてあげていて…
……ふぅ…この話は改めてしよう…じゃあ、おやすみ…』

説明をする双月は余程疲れ切っていたのか、途中で酷く疲れた声音になり、深く息を吐き出してから、済まなさそうにウィスを切ってしまい。

「イクス…?」
「……イシュア…お前…」

突然のウィスから泣きそうな顔でイシュアの頬の撫でるイクスに、訝しげにシオンは名前を呼び。
一度その小さな体を抱き締めてから、シオン達に向き直ると、双月から聞いた事を話して……








「一体…どうしたのだよ?ルティ?」

リジェクトの部屋から居なくなったルティを探していたディルは、ディルの研究室の隅っこで膝を抱えて泣いているルティを見つけ、心配そうに声を掛けて。

「っ…ディルさ…ごめ…なさ…ボクがっ…ボクがちゃんと言ってたら…」

ディルから声を掛けられ、びくっと肩を震わせるが、泣きじゃくった顔でディルを見ると、益々涙が溢れ出てしまい、言葉を詰まらせながら謝罪を始めて。

「一体何の事なのだよ?ほら…怒らないから、いうのだよ…ルティ?」
「ボクっ…イシュアくんが…吐血したの…知ってたんですっ…でもっ…イシュアくんが言わないでって…それでも、あの時…ディルさん達に言っておけばっ…こんな事に…ならなかったかも…なのにっ…イシュアくんが…しんじゃったら…ボクのっ…せぃっ…」

身を小さくするルティを抱き締めてやると、堰を切った様に泣きなら理由を説明して、そのまま声を上げてディルの胸に顔を埋めて泣き出して。
そんなルティの背中に手を回してしっかりと抱きしめてやり。

「次からはこんな事があれば、必ず私でも構わない…言うのだよ?
もうイシュアくんは大丈夫だ…心配しなくていい…
実際今回はわかっていても、私でも助けられなかったであろうが…」

必死に言うか言うまいか悩み続け、イシュアの意思を尊重してしまったが故に起こってしまった今回の事に深く傷ついてしまっているルティを、これ以上責める事はせず、これからはちゃんと伝える様に言い聞かせるも、分かっていた所で自分に助けられたかどうか自信が全く持てず、自嘲気味に呟いて、抱きしめる手に力を込めてやり。








「うっ…ん…」
「イシュア…?っ…!?」

イシュアのこれからの事を話していた中、小さく声を漏らしたイシュアに、名前を呼ばれた事に気づいたかの様にうっすらと目を開いたイシュアの瞳を見た瞬間、一瞬イクスは言葉を失い。
その瞳は、イクスやアレス達と同じ、結界一族の総長を示す金色と青のオッドアイであった。

「にぃ…さ…?」

だが、もう一度瞬きをした瞳はいつもの空の色に戻っており、固まったままのイクスに、イシュアは小さく確かめる様に呼びかけ。

「あぁ…イシュア…オレだよ…」

その言葉に、嬉しそうに微笑むと再び眠りについてしまい。

「……取りあえず…大丈夫そうだ…リジェクト…暫くイシュアはオレ達の部屋で看るけどいいよな?」
「…あぁ、分かった…ただ、日中はそっちの部屋にいていいか?イシュアが目覚めるまでは、多分何も手につかねぇ…出来るだけお前らの邪魔はしねぇから…」
「俺も仕事が無い日は見舞いに来る…大事な弟だからな…」
「あぁ…」
「……」

大丈夫だと分かっていても、今先程まで死ぬ直前まで居た最愛の弟であり息子の傍から離れる事が出来ないイクスは、傍に立つリジェクトに申し出ると、少しだけ複雑そうな顔をしたが、条件付きで傍を離れる事を了解し、アレスもまた、出来るだけ様子を見に来ると告げて。
そのやり取りにいつもであれば二人きりの邪魔はされたくないと文句を言うであろうシオンは、今回は何も言わず黙ったままであり。








アサシンギルド 医務室…


「あのさ…ライ…目覚ましたら呼ぶから、いい加減出ていってくれないかな?
邪魔なんだけど…」
「でも…アヤメくん…双月…大丈夫かな…?」
「疲れただけって本人も言ってたんだし、大丈夫かどうか診なきゃ分かんないから、だから邪魔なんだってばっ」

医務室のアヤメのに着いて自分の状態を説明した双月は、限界だったのかそのまま意識を失う様に眠ってしまい。
ライは双月を寝かせたベッドの脇に座り込み、傍から離れず、更に手を握り締めて、珍しくもオロオロした様子でアヤメを見上げるも、大の男がそう広くもないベッドの傍にいる為に何も出来ないアヤメは、思わず声を荒げて怒鳴りつけてしまうのであった……







それから3日後…宵闇の銘酒 ギルドハウス

「っ…んっ…」

ふっと意識が浮上し目を覚ましたイシュアは、眩しそうに瞼を開くが、見慣れた天井が目に入り、ぼんやりとした瞳でその天井を見つめて。

「イシュア…目ぇ覚めたか?」
「にぃ…さん…?」

自分を見下ろして声を掛ける兄、イクスをぼんやりした不思議そうな瞳で見上げて。

「どう…したの…?すごく…つかれて…かなしそうな…かお…してる…?なか…ないで…?」
「っ…!?…なんでも…ないよ…
次 目ぇ覚めた時にたっぷりと言ってやるから…今はもう一回寝ろ?ほら…こうして手ぇ繋いでてやるから…」
「うん……にぃさ…だいすき…」

ゆっくり、見下ろしてくるイクスの頬に手を触れさせたイシュアは、イクスの感情が見えているのか、その想いを口にして心配し、その言葉にイクスは目を一瞬見開くが、すぐに微笑みながら手を繋いで寝ることを促すと、まだ意識が混濁し眠たいのか、小さく笑みを浮かべて再び眠りについてしまい。

「イシュア…オレも大好きだよ…」

どこか泣きそうな顔で小さく囁くと、そっとその額に口づけを落として…





運命の輪は回り続ける…

それでもせめて今は、穏やかな時を…


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