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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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貴方を目覚めさせるグロリアを…

東雲様の 俺だけのグロリアの続きといいますか…
ディルとイクスが製薬から帰ってきて
寝込んだとあったので
なんでか妙にその寝込んだ後を書きたくなって書いてしまいました^^;

本当にほのぼの~とした
一応 ディル×ルティかな?
っても 殆どルティかも…
なんだか幸せバカップル…




ディルの実家から帰ってきたイクスとディルは
帰ってきた途端ベットに倒れ
そのまま疲れきって眠ってしまった…
翌日になり もうすぐ昼も近い

何も今回出来なかったルティは
ギルドハウスのキッチンで料理をしていた

「よしっ 出来たっ」

小ぶりの鍋が二つ
中身は具だくさんのリゾットが作られており
そのひとつをトレーに乗せ 茶碗を二つと
それに、カップに入ったプリンを乗せると
階段を上がってゆく


ひとつのドアの前で まず深呼吸してからドアを叩き


「…何の用だ…」
「え…えと…イクスさんとシオンさんに…
お昼ごはんを持ってきたん…ですが…」

開いたドアから出てきたシオンから
向けられた殺気に背筋を震わせるが
おそるおそる なんとか答えると
シオンはルティの顔をじっと見つめて

「あ あの…」
「どれだ?」

鋭い瞳で見つめられて 思わずルティは委縮してしまうが
告げられた言葉に 慌ててトレーを差し出す

「リゾット…作ってみたんです
良ければお二人で食べて下さい…」

「イクスには食わせておく」

それだけ短く言うと トレーを受け取り
そのままドアは静かにしまってしまう

それでも 受け取ってくれた事が嬉しくて
ルティは満面の笑みを浮かべて
今度はディルに持っていく為に階段を下りて行った


「誰かきたのか?」
「あぁ…ルティが昼飯持ってきた」

ようやく目を覚ましたイクスは大きく伸びをして
上半身を起こし 
持ってこられたトレーの鍋のふたを取る

「これはうまそうだな…寝起きの胃にも優しい様に
リゾットか…ルティらしい
それにプリンも作ったのか…マメだな あいつは」
「食べるか?」
「あぁ 折角だ。一緒に食べようぜ?」

そう言ってサイドテーブルに置いた鍋から
イクスは茶椀によそって
妙に久しぶりに感じてしまう二人きりの穏やかな昼食を取っていた






「ディル…さん…
まだ 寝てるかな…?」

自分達が寝泊まりしている部屋に鍋を持って入ると
ベットに眠るディルの傍に近寄る
そこには 随分顔色が良くなったディルが眠っていた

「ディルさ~ん…
起きないな…」

鍋をサイドテーブルに置いて
枕元で声を掛けてみるが
余程疲れているのだろう 全く目を覚ます気配がない

「もうちょっと待ってみるかな…」

そっと愛おしげにディルの髪を撫でたルティは
ベットの傍にある椅子を引き寄せ
その傍らに腰を下ろす

小さな部屋に 二人だけ
日中という事もあり 世間も特に静かで
窓越しから聞こえてくるのは鳥達の声だけ…

窓を見上げると そこには真っ青な綺麗な空が広がっており
少しだけルティは窓を開ける
春が近い温かな風がふわりと吹き込み
髪を撫でてゆく
後は アルデバランに流れる
規則的な静かな水の流れの音…

「静かだなぁ…」

小さく呟くルティの顔は
とても幸せそうであった
大切な人と この平和な時間を過ごしていられる
危険と隣り合わせな冒険者にとって
それは幸運な事 この上ない

「早くプリーストになって グロリア歌いたいな~…
イクスさんのグロリア 前聞いた時凄く綺麗だったな…
あんな風に僕も歌えるかな?」

以前ディルが製薬をしていた時に
イクスがその傍でグロリアを歌っていた姿を思い出す
普段話している時は 言葉使いが悪い為
あまり気付かないが
イクスの声はとても綺麗で
更に歌う時は低過ぎる訳でもなく高過ぎる訳でもなく
男性と女性の中間の様な
いつまでも聞いていたい魅力的な声で歌うのだ


「どんな曲だったっけ…」

目を閉じて思い出す

薄紅に色付いた唇から ゆっくり曲が紡ぎだされる
まだ幼い 少女の様な声で

小さな声音で イクスが歌っていた歌の曲のメロディを
思い出しながら風に乗せる

甘さを含む曲が辺りを包み込み…

「…ん ルティ…?」
「あっ!ごめんなさいっ 起こしちゃいましたっ?」

眠そうな声がルティの名を呼び
歌を止めて慌てて謝ると
目を開けたディルが自分を見つめていた

「今歌ってたのはルティか?」
「は…はい…邪魔をして済みません…」

尋ねられると 恐縮した様に謝るが
ディルはそっとルティに手招きをしてやる

「…?ぁ…」
「綺麗な声で目が覚めた…いい気持ちなのだよ」

近づいたルティの首の後ろに手を掛けて自分に引き寄せると
そっとその唇の口づけてやる
顔を赤らめるルティにディルはなんともいえぬ
優しい笑みを浮かべて告げてやる

「おはよぉございます」
「おはよう ルティ」

そう顔を見合わせ互いに挨拶をすると
もう一度口づけをして
ディルは上半身をベットの上に起こす

「ふぁ…良く寝た…」
「お昼 作ってきましたけど…食べますか?」
「あぁ 頂こうではないか」

背伸びをするディルを上目遣いで見つめて
食べると言われると 嬉しそうに茶碗に蒸した鶏肉を入れた
リゾットをよそい

「ルティ…とても綺麗な声だった…
お前がプリーストになってグロリアを歌う度
私はルティに見惚れてしまうかもしれない」
「っ…頑張って プリーストになりますね…」

幸せそうな顔でディルに告げられて
耳まで真っ赤になったルティは
嬉しくて泣きそうになりながら
リゾットをよそった茶碗を差し出す…






なんの力も持たない
未熟なグロリアは
ただ一人の愛おしい人を目覚めさせた
今はそれだけで十分
小さなうさぎが 少しだけ成長して
ただ一人の愛すべき人の為に
グロリアを美しい声で奏でる様になるのは
まだ もう少し後のお話…





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  • by 東雲 冴
  • 2012/02/23(Thu)19:35
  • Edit
こんばんわ、東雲です。ギャグノリだった「俺だけのグロリア」の続編(?)をこんな萌えたっぷりの話を書いて下さり有難うございます!! シオン、怖いよ。君(笑) 蛇足ですが、イクスのグロリアを初めて聞いた時ディルは聞き惚れてグロリアが終わるまで茫然としてたっていう話があります。ルティの時は製薬に関わらず聞きそうですね! ご馳走様でしたv
イシュア!! 早く助かって欲しいです。シオンは心中穏やかじゃないでしょうね。何で俺があいつを助けないといけない! と思いつつ、リョウが助けてイクスに礼を言われるのも腹が立つ! ってな感じで(笑)
続きが気になりますー。笑顔の兄弟が最後には見れる事を祈ってます!!!

東雲様

  • by 月宮
  • 2012/02/24 00:46
「俺だけのグロリア」を呼んだ後、なんか書きたくなりまして勝手に書いてしまいました(^^;)
本当はもっとシオンとイクスの話が書きたかったんですが、長くなるのでちょっとだけ☆
イクスの歌に聞きほれるディルはちょっと見たい気もしますねぇ♪
下弦の月は やっぱり何で俺がって思うけど、イクスの大事なものを リョウとかに救出されたくないとか思うかなぁと…それに シオンが救出してこそ、その後3Pになるかなぁと(≧∀≦)
とか 無駄に妄想はしてますがどうなる事やら…クライマックスをお楽しみに!…って 大丈夫だろうか(汗

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