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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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銀の月と翠の羽

大分前になってしまいますが、紅露さんとのラグナデートの時に
双月とライの話の中で
双月がライへ本当の姿を見せる話を書くとかなんとか・・・
そんな事を宣言しながらも
ずっとかけずにいたのをやっとアップさせて頂きます(汗


先日、紅露さんにライと双月がイチャイチャしてるリクを叶えて頂き
その時に、双月の髪を結んでいるゴムがライの瞳の色と一緒というのを教えて頂いたので
そのネタを勝手に拝借させて頂きました(^^;


紅露さんにささげます







周りにいたのは、チェイサーやロードナイトそれにスナイパー
そんな奴らに囲まれて、小さな僕の可愛いシーフが傷だらけになって地面に転がっていた。

「ライっ!!」
それを見つけた僕は、その子達に敵うとか考えず、無我夢中でその輪に飛び込んで、ライを抱きしめた。

「こんな小さな子に何をするんだっ!」
「最初にそいつの方が俺達の前を横切って邪魔してきたんだよ?だからそんな礼儀知らずなガキにはセーサイ加えてかないとね?」
「大の大人が揃って情けない
血まみれでボロボロになったライを抱きしめながら、目の前にいたロードナイトを睨み付けながら文句を言うと、全く理由にならない理由を並べてくるのに、思わず情けなくて本音が出てしまう。
「あぁ?ただのバードのくせに何言ってやがるっ
第一お前の方が俺達よりガキのクセして生意気んだよっ」
「こりゃあ このバード君にも年上への口の聞き方ってのを教えないといけないみたいだねぇ」
そうなのだ僕の方がずっと年上であるが、外見だけならば彼らの方が年下だ
まけにこの手の子達は転生してない職業を人間としてみない傾向がある
このままだと多分最悪殺される一人ならば、なんとか逃げられるかもしれないが、ライを連れて逃げれる程、彼らは弱くはないだろう
だからと言って、彼らに敵う程僕は強くはない
どうすると悩むより先に、彼らの方が動いた

「ピアーズっ!!」

いきなりペコの頭上から降ってくる槍に何とかライを抱えて、後ろに跳ぶ。

「避けるなんて生意気だねぇっ!」
「布団がふっとんだっ!!」
「うわっ!!」
跳んだ先に素早く短剣を手に突っ込んで来たチェイサーを凍りつかせて、何とかそれを回避するも、隙もなく矢が僕達へと飛んできて、それを避けるのが精一杯で反撃の余地が無かった。
「ぅっそうげおまえだけ逃げろよ俺つれてると逃げられねぇだろ
「ライ……
彼らの攻撃から逃げながら、腕の中のライが弱弱しい声で僕だけでも逃げろと言葉にするそんな事

「できる筈ないでしょう大丈夫絶対助けるよっ」

「バードのおまえにこいつらいっしょに無理だ
多少の反撃をしつつも、楽器を構える暇すら与えず、そしてちゃんとチームワークが出来ているのか、逃げ道すら塞ぐ様に攻撃してくる彼らに、確かに今の僕には敵う術は無かった。そう『今の僕』には
ライを助ける為ならば、一体何を躊躇う事があるだろうそう、例えこの先一緒にいられなくても
「ライ驚かないでね

ロードナイトの槍を避けながら、横脇に抱えたライに小さく囁く。

「くっそぉっ!バードの癖にちょこまかとっ!!これでどうだっ!!
ブランディッシュスピアっっ!!!」

ナイト系の広範囲攻撃
僕にそれを避ける事など出来ない。
僕は空いた手で自分の髪を結んでいた紐を解いて、その手を地面を抉りながら向かってくる攻撃に翳した。
「なにっ!?」

僕達に向かってきた攻撃を、プリーストでも無い僕が片手で跳ね返した事に、彼らの顔が驚愕に見開かれる。そして

「てめぇその姿はなんだ?」
双月おまえ
彼らは驚きながら僕を指さし、そして小脇に抱えていたライから、驚いた様な、そして恐怖の様な声がした。
ごめんねライこれが僕の本当に姿だ
本当は見せたく無かった僕の人ではない姿長い緑の髪に、背中に広がる大きな薄く光を放つ羽妖精としての僕
それでも、君を助ける為ならば、後悔はしない

「こいつ妖精だぜそれも見たことねぇ
「そういや闇市でたまにオークションにかけられて、高額な金額になるって聞いた事がある
「そりゃあいいそいつを捕えれば俺達は大金持ちになるぜっ」
僕をオークションにかければ大金になる事に気付いた彼らは、途端にイヤラシい笑みを浮かべ、舌舐めずりをして僕へと近づいてくる。
「ごめんだけど君らでは僕には敵わないよ
「っ!?ぎゃぁぁぁぁああっっっ!!!」
じりじりと近づいてくる彼らにため息を付きつつ小さく呟いた僕は、そっと傍にあった木に手を添えた途端、木々の枝がまるで意志を持った槍の様に彼らに鋭く向かい、その身を貫いた瞬間、3人の凄まじい悲鳴と共に、その場から消え失せてしまった。

……双月……お前
まずは君の傷を治すのが先だ

背後の木に背中を預け驚いた様子で僕を見上げるライに、僕は膝と付き手をそっと翳す。
羽がふわりと光、掌から淡い緑色の光がライへと注がれると、みるみる間にライの酷い傷が治ってゆく。
全ての傷が治り、服までも再生された後、僕はゆっくりライの頭を撫でて、真っ直ぐにその瞳を見つめる。

「今まで秘密にしててごめんね
ライこれが僕の本当の姿だ僕はある妖精と人間の間に生まれた合いの子なんだ普段は人としての姿だけど、妖精としての力を使う時はこの姿になってしまう
人とは違う時間を生き、そして研究者達からは珍しいと狙われる身だだから君を危険に巻き込んでしまう

真っ直ぐに僕を見つめる瞳力強い闇夜に輝く美しい月の様に僕はこの瞳の光を消したくない

「だから…だから、今日でお別れだライ
…いままで…有難う…僕は君の傍にいる事が出来て、本当に幸せだったよ…」

そう 言葉にして気付く。
僕は…とてもこの子を愛していたと…我が子の様に…本当は傍にいたい…せめてこの子が独り立ちするまで…けれど……
思わず潤んだ瞳を隠す様に俯いた僕の頬に、そっと暖かい小さな手が触れる。

「独りになったら俺は死ぬだろうし…親元に戻されたら家族殺すぜ?」
「…え?」

いきなり発せられた言葉に、思わず僕は目を丸くしてライを見返す。

「俺に人の温もりを思い出させたんだから、責任取って俺が自立するまで一緒にいろ」
「で…でも…僕は君と同じ人間じゃないから…僕は歳を取るのが遅いし…何より狙われてる身だから…同じ所にいられない…ずっと旅する事になるし、危険だってあるけど…それでもいいかい…?」

真っ直ぐ僕を捉えてた瞳が反らされる事無く、嘘偽りない言葉ではっきりと告げられて、それが僕はあまりにも嬉しくて、でもそれを簡単に受け入れる訳にはいかずに、戸惑いながらライに尋ねてしまう。

「同じ人間ってなんだよ。少なくとも俺…僕を捨てた家族よりも…双月の方が人間だ…人間じゃないとかいうな…双月…」

ずっと…ずっと本当の姿を見られた…怖がられると思っていた…離れなきゃいけないって思ってた…人ではない僕を…こんな風に言ってくれるなんて…思って無かった…僕は思わず、ライの小さな体をしっかりと抱きしめて、その肩に顔を埋めて…

「っ…ライと一緒に…ずっといたいんだ…」
「…僕はずっといるよ…双月…」
「有難う…ライ…」
「っとに…寂しいならそう言えばいいのに…」

泣いた顔を見られない様に肩に顔を埋めながら、ライをしっかり抱きしめると、少し笑いながら軽い溜息をついて、ライは僕の背中に手を回して、しっかり抱きしめ返してくれたのだった…

「えぇと…髪を結んでた紐…どこやったかな……」

暫くしてやっとライから離れた僕は、羽を畳んで人としての姿に戻ってから、長い髪を纏めていた紐をどこにやってしまったのか辺りを探す。
風で飛んでいったのか、その辺りには見つからない…

「しょうがないな…またどっかで買うかな…」
「これ…やる…」

頭を掻きながら小さくぼやく僕に、傍らにライは手を差し出して僕の手に青色の髪を結ぶゴムを無造作に置く。
ライの瞳と同じ色のゴム…

「これは…」
「前 露店で商人が手作りだって売ってたんだよっ僕の目と同じ色だから…双月好きだろうなぁってさ…ちゃんとこれからコレで結んどけよ!」
「ふふ…有難う大切にするね?」

少しだけ顔を赤くしながらも、素直に言葉にしてくれるライが本当に可愛くて、僕は嬉しくて笑いながら、ライの瞳と同じ色のゴムで散らばった髪を纏める。

「さぁ…宿屋の荷造りをして、旅に出よう…まずはどこに向かうかな…」
「寒くなるから南にしようぜ?」
「そうだね。南に向かってみようか?」

僕はライの手を握り、歩きながら向かう場所を当てもなく話し始める。
ライも、僕の手を握り返してくれながら、行きたい方角を言葉にする。
旅が楽しみだなんて…今まで思ったことは無かった。
嫌いでは無いけど、寂しくて…でもこれからの旅は楽しくなる。
最愛の息子がいるのだから…思わずにやけそうになる僕をライが見上げて声を掛ける。

「なぁ双月…お前の父親って、何の妖精なんだ?」
「あぁ…僕の父親はね……………」





現在…

「双月…まだこのゴム使ってんだ?」

ライの家のキッチンで料理を作っていた僕の背後にライが気配無く現れて、髪のゴムに指先を触れさせながら尋ねる。

「うん 最愛の息子からもらった初めてのプレゼントだからね大切に使ってるんだ」
「ふぅん…じゃあ僕は何かの装備買って着けて貰おうかなぁ…今度は息子じゃなくて…恋人からのプレゼントってことで…」
「あっ!!」

説明する僕の肩に顔を乗せてきたライは、髪を撫でていた手をそのまま背中へと滑らせてきて、思わず僕の口からあられもない声が漏れてしまう。

「ちょっ…今っ 料理作ってるからっ…!それに恋人っとってっ…!ひゃぁっ!!」
「そんな声出したら、もぅ止まりませーん
恋人になるって誓ってくれたら、やめてもいいけど?あ…奥さんでもイイヨ?」
「そんな…事っ…んぅっ!あぁっ…!」

ライだけが知る 僕の一番弱い部分…羽の付け根になる場所に指先を押し付け擦るライに僕は身を捩り逃げようとするが、ライは背後から圧倒的な力で押さえつけ、僕は手をキッチンのシンクについてしまう。
まるでローグの様に素早く僕の上を脱がしたライの舌が、執拗に僕の羽を付け根を這っていく感触に、僕はもう抵抗など出来ず、されるがままにライへと溺れていくのであった……

恋人と…ライの妻だと言えるのならば…僕はどれだけ幸せなのだろう…だから僕はライの腕に身を任せる…束の間でもいい…ライの最愛の者になる為に……







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