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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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雪の華が咲く頃に~紫苑

ハイウィザードの紫苑の独り語り
好みの男を見つけたらしい彼は…?



性格を探っているうちに
なんだかおねぇ系になったのはなんでだろうと…
おねぇ系ですが 
ドS攻めな男なんです

『全く…お前のこれからが心配だよ…』
『余計なお世話だね。お前が心配する程
私は落ちぶれてなんていないよ』
『はは そりゃあそうだ』

それがあいつと私の最後の会話。
死んでしまったあいつ。
でも 涙も出なかった。
だってあいつは 本当に幸せそうに笑って死んだんだもの。
だから私もこれからの人生 死ぬ時には笑って死ねる様に
楽しい物にしようと決めた。

そう それはもう 随分と昔の事。
あいつと過ごした記憶さえ 
随分と薄れてきた位昔だ…







冒険者が集まる酒場は好きだ
屈強な男たちが私の目を楽しませてくれるから…
いや 屈強な男だけが好みって訳じゃないのよ?
可愛い男も好き
それで 更にへタレな攻めだったら尚好みだわ
弄ぶのが楽しいから

あら?あそこで項垂れてる彼…
たまにこの酒場で仲間と飲んでるのを見るけど
今日は一人みたいねぇ…
あそこのギルドは確か…
ソロの個性的な子達だけの集まりだったわよね…
ちょっとやけ酒してるのかしら?
ふふ…おにーさんの好みだわ

そう言って チェリー酒を店主から受け取って
(だって、ウブそうな男の子みたいで可愛いお酒なんだもの)
そっと彼の隣の席に腰掛ける

「はぁい?どうしたの?随分元気ないじゃない?」
「ん~…なんや?」

飲んだ酒が強かったのだろう
赤い顔してこちらを見上げてくるチェイサーの彼は
まるで子デザみたい…
やだわ…可愛い

「よくここでお酒を飲んでるのを見かけるけど、今日は一人なのね?
仲間で飲んでたり…よく可愛いウィザードくんと仲良く飲んでるみたいだけど…」
「ぅ……アルぅぅぅ~…っ」

お酒に口を付けながらやけ酒をしている理由を促してやると
チェイサーくんは額をゴンっとテーブルに打ちつけて
名前を呼びながら撃沈してしまう。

アルって…あのウィザードの子ね…
これは…喧嘩でもしたのかしら?
あらあら…ちょっと チャンスじゃない?

思わず口に笑みを浮かべてしまいながら
そっと彼の肩に手を回す
見える首は細い訳でもなく、程良く焼けて健康的
肩もがっしりしてて 結構筋肉も背が小さい割にはありそうね

「確かになぁ…わいが悪かった思うんやよ?
アルの誘いに気付かへんかったわいが悪いねん…
だから、気付いた時に押し倒したら…めっさ怒ったんよ…
部屋出ててしもうし…
わい…アルに嫌われたら…どないすればえぇんや~~」

顔を上げた時に 涙で濡れた顔
結構泣き上戸なのね…
美形…とはいかないけど、いい男の顔
胸板もしっかりしてるし…
結構これは…泣かせがいがありそうだわ


「アルぅぅぅ~~…」

再び突っ伏した彼はそのまま机に顔を預けたまま眠ってしまった


ぺロリと唇を舐めてから
そのままこの酒屋の2階の宿に連れ込む為に
肩に手を掛けようとした時

「リョウ!あぁ…こんな所にいた…」

現れたのは 赤い髪の可愛らしいハイウィザード
私の同業者

「貴方がアルくんかしら?」
「はいっ あの…貴方は?」
「ここの常連かな…彼が酔い潰れてたから話を聞いてただけよ
後は貴方に任せるわね?」
「あ…はいっ ご迷惑かけました。有難うございます」

こちらを不審そうに見てきたアルくんに事情を説明したら
アルくんは慌てて礼儀正しく頭を下げてきたんで
席を立って場所を譲り

「もぅっリョウ!起きてっ」
「あまりつれなくしてると…
リョウくん その内誰かに攫われちゃうぞ~」
「っ!?」


そっとリョウくんを起こすアルくんの耳元に囁いてから
アルくんが目を見開くのを見て 
手を振りながら 酒場を出る

今日の所は名前を知れたから十分だわ
これからが楽しそうねぇ
暫くこの街で彼らからかいつつ
リョウくんのバックを狙ってみましょうか


あぁ 楽しみが増えたわ

ほら ごらん?
アンタがいなくっても 私は十分楽しく生きれるの
アンタが教えてくれたからねぇ


建物の間から見える夜空を見上げながら
私は不敵に笑う
これこそが 私らしい生き方


折角生きてるんだもの
楽しまなくちゃあねぇ?

空からちらちらと降ってきた雪が髪に落ちる
ゆっくりと 静かに落ちてくる雪…


アンタからのプレゼントかしら?

なんだかおかしくなって
クスクス笑いながら 雪が降る夜の街の中を歩いてゆく

今夜位はアンタを思い出して
酒でも一人 飲もうかしらねぇ?

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