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雪の華が咲く頃に

オンラインゲーム 『ラグナロクオンライン』の小説を書いています。 内容はBL系が多くなると思いますので、 ご理解頂けない方、嫌悪感がある方 などの拝見はお控下さいます様、 宜しくお願い申し上げます。 先に カテゴリ『初めに』をご覧になって下さい。

   

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自覚してしまった想いは…

東雲さんから奪ってきたリクの 本当は3つめだったんですが、ちょっと聞いたクラシック曲が、なんか妙に紫苑っぽい感じで、聞きながら話が出来あがってしまった為、ちょっと書いてしまいました…
順番が逆転してごめんなさい(汗



教会幹部の女性聖職者を狙った事件が横行し、ゴーストが綺麗に化粧されてハイプリ衣装着せられてトーゴと街を歩いて居たら、相手が女装の男と分かってもゴーストだと気付いてない紫苑とバッタリ会って、人に告白しときながらコレは浮気かしら? みたいな怒りを買ってしまうっていう話…
を リク頂いた筈が、紫苑がトーゴをどう想っているかという気持ちが知りたいとの事を仰って下さったので、紫苑側から書いたら、なんだかリクに添わなくなってしまって申し訳なくなってしまった…
済みません…

でも この話、本当がトーゴが一度紫苑を押し倒すシーンを入れる筈だったのに、なんでかそのまま紫苑が襲いっぱなしな話になった^^;
ちょっと責められて、妖艶に乱れる紫苑を書く筈だったのになぁ…
紫苑は 中々押し倒すのは大変そうです(笑)



この話は東雲様のみ お持ち帰り可能となっております。
書き直し・削除・焼く・煮るなど好きにしちゃって下さいませ☆

「全く…ガラにもないわよね…」

ハイウィザードのマントを翻し、紫の緩く編み込んだ長い髪を揺らして、美しく派手な顔を思わず顰めながら、紫苑はため息と共に呟く。

彼が出てきた所は宝飾店。
手に持っているリボンが付いた箱には、男性用のネックレスが入っていた。
黒く短めの革紐は、大抵の事では千切れる事なく丈夫で、銀のフレームには紫色のアメジストが加工されて飾られている。
そこそこの値段はするが、戦闘中でも着けていられるという代物で、最近おしゃれな男性冒険者達の間で密かに人気がある。

太い首に合わせて、紐をより丈夫で太い物にしてもらい、更に自分で獲ってきたアメジストを綺麗に丸く加工して貰った特注品だ。
お陰でかなりの値になったのだが…

「なんでこんなの買っちゃったのかしらねぇ…
アタシは貰う専門で、買うなんてした事ないのに…」

手にする箱を見ながら、こんな事をしてしまった自分の気持ちを持てあましていた。
勿論 その箱の中身を上げる相手はトーゴである。

先日 トーゴが自分を振り向かせる為に行った、好きになって貰うまで会わない作戦は、トーゴから見れば失敗したのだが、紫苑にしてみれば十分自分の気持ちを気付くきっかけになってしまった。

そう トーゴの事が好きであると…

それに気付き始めた時、トーゴから告白してこられてしまい、心底トーゴが愛おしいと思ってしまった。

トーゴから離れ様と思っていたのに、自分を好きだと堂々と言ってきたトーゴに、泣きそうな程に安堵した…
勿論 自分の本心を口になんてする事は出来ない。
いつ 殺されるか分からない身だ…けして、好きだと…愛していると 言える筈なんてない。

恐らく、そう遠くない先に、自分はトーゴの元から姿を消す事になるだろう。
それも永遠に…
だから、トーゴの身に何か起こった時に身代わりとなり護れる様に、このアメジストに自分の魔力を注ぎ込み、ペンダントにしたのだ。
それ以上に…忘れて欲しくなかったのかもしれない。
自分が愛した存在から…忘れられたくなかった…

「なんて女々しいのかしら…」

自分の事を冷静に分析すればするほど、なんだか情けなくなってしまい、紫苑はプレゼントを懐にしまった。

「あら…あれ…は…?」

顔を上げた先に見えた長身…
今まで考えていた相手、トーゴである。
その顔を見て、一瞬笑みを浮かべるも、その隣の存在に思わず目が行く。

その隣には、いつもいるゴーストではなく、見知らぬ長身の女ハイプリースト。
身長的に女性かどうか…女装した男かもしれないが…
どちらにしろ、妙に仲が良さそうな様子で話しながら歩いている。

それを見た瞬間、紫苑の胸は妙にざわつく。

「っ!紫苑っ!?」

正面から歩いてきたトーゴは 人込みに立つ紫苑の姿を目に止めて、驚いた様に駆けて来る。

「こんな所で会えるなんて嬉しい限りじゃ!
…紫苑?どうしたんじゃ?」

嬉しそうに駆け寄ってきたトーゴであったが、酷く冷たい瞳でこちらを見上げてくる紫苑に、どうしたのかとトーゴは首を傾げる。

「べっつにぃ~~
随分…あのコと仲よさそうじゃない…」

「あ…えぇと…あやつは…」

「どうでもいいけど…人に告白しといて、コレは浮気って事かしら?」

「ちっ!違うっ!浮気なんぞしておらんっ!!」

「じゃあ あのコは誰なのかしら…?」

「そ それは…えぇと…」

不機嫌極まりない様子の紫苑から、一緒にいたハイプリの事を聞かれると、トーゴは理由を教えられないのか、オロオロとした様子で口籠り。

「べっつにアタシには関係なかったわねっ!!
どうぞ お幸せにっ!!」

「紫苑っ!!!!」

いつも真っ直ぐにこちらが聞かない事まで口にするトーゴが口籠る様子に、紫苑はいきなり吐き捨て、そのまま蝶の羽で飛んでしまい。
ただそこには 空しく空に手を伸ばすトーゴがいた。


「なんだ…紫苑さん 珍しいな?オレだって分かんなかったのか…?」

遠巻きに見ていた トーゴの連れの女ハイプリーストは、固まったままのトーゴに声を掛ける。

「…一体…なんで紫苑はあんなに怒ったんじゃ…
いつもだったら…儂をからかってきたり…馬鹿にしたりするというのに…
なんであんなに怒るんじゃ…ゴーストぉぉ~~」

声を掛けられ、涙目になったトーゴは、震える声で傍に来た女ハイプリ…の格好をしたゴーストに尋ねる。

「まぁ…後で紫苑さんに会いに行ってきけよ?
……早くしねぇと 紫苑さん…いなくなっちまうかもしれないぜ?」


ゴーストの言葉に、可哀想になる位にトーゴの顔が青ざめてしまい…


「よぁ でっけーねーちゃん?ハイプリだけど強そうだな…」
「きっ…貴様かぁぁぁっっ!!!この事件の首謀者はっっ!!」
「ちょっ…ちょっ待てッ!!トーゴっ!!」
「阿修羅覇王拳っっっっっ!!!!」


ドォーーーーンっっ
と それから暫く、至る所の建物が壊れる音が響き渡ったという……








「…はぁぁぁ~~…アタシ ばっかじゃない……」

紫苑は宿に戻ってきて、泡立てた湯船の中に身を沈めながら、盛大なため息をついていた。

「あのハイプリ…よくよく考えたら ゴーストくんじゃない…
あんな長身で長い青髪なんてそうそういないし…
幾ら綺麗に化粧してたとはいえ…冷静に見れば良く分かった事じゃないの…」

それが分かれば、あの二人があの時任務中で、迂闊に理由を述べられない原因など分かる。
あの時 自分がどれだけ余裕が無かったかを思い知らされて、珍しくも紫苑は落ち込み、再び深いため息をついた。


「どんだけアタシ…トーゴに惚れてんのかしら…
ちょっと…ヤバいわよねぇ…
本当に…そろそろ……離れないといけないかもね…
まさかこんな…嫉妬するなんて…」

泡をシャワーで洗い流し、タオルで長い髪を丁寧に拭いて水気を取ると、その肢体にバスタオルを巻いて部屋に入る。
それと同時であった…


「紫苑っっ!!!」
「きゃぁぁっ!!?」

いきなり部屋の中央にトーゴが現れ、あまりのその唐突な現れ方に、思わず紫苑は悲鳴を上げてしまう。

「はぁっ…はぁ…し 紫苑っ…」
「ト トーゴ…?って アンタっ 怪我してるじゃないっ!!」

その場にそのまま膝をついてしまったトーゴの姿に、さすがの紫苑も驚き、バスローブを羽織ると、ヒールクリップの装着して、トーゴの傷を癒してやる。

「全く…一体いきなりなんなのよ…」
「…任務が終わって…そのまま来たんじゃ…ココの位置は…前来た時に密かにポタメモ取っていたもんじゃから…早く会いたくて…」
「ばっかじゃないの…」

項垂れたままぽつぽつ申し訳なさそうに話す相手に、いつもの元気や強引さはなく、先ほどの事を気にしている相手に苦笑しつつ、傷を治してやり。

「のぉ…紫苑…
さっきのハイプリはゴーストじゃ…任務で一緒にいた訳で…
浮気とかしとらん…
儂は…紫苑に会ってから、他の誰も好きになっとらん…
紫苑だけなんじゃ…それを 分かって欲しくて…
だから…いなくならんでくれ…」

ぽつぽつと話すトーゴの言葉に、くすりと思わず笑ってしまい、そのままトーゴの頭を軽く叩いてから立ちあがる。

「し 紫苑?」
「いらっしゃい?トーゴ?」

頭を撫でられたトーゴは驚いた様に顔を上げると、ベットに腰掛けた紫苑頬笑みを浮かべてトーゴに手を伸ばして。

「しえ…んっぅ……」

誘われるまま立ちあがったトーゴは、恐る恐る紫苑に近付くと、紫苑の細い指は太いトーゴの首に掛かり、そのまま唇を重ねて。

「トーゴ…今日は優しくしてあげるから…大人しく抱かれなさい?」
「…今日は 紫苑を怒らせてしまったんじゃ…
男らしく今日だけは大人しく抱かれる事にする…」
「イイ子ね?」

上に伸し掛かった紫苑はトーゴの頬に指を滑らせて囁き、トーゴはごくりと一度唾を飲み込みが、いつもの様に抵抗する事なく小さく頷き、紫苑の頬に自分の無骨な手を這わせると真っ直ぐ見詰めてきて、その様子に紫苑も妖艶に紅い唇に頬笑みを浮かべて…










「今日は…随分優しかったのぉ…」

乱れたベットの上で横になったままのトーゴは、立ちあがり水を飲んでいた紫苑を見上げながら声を掛ける。

「そりゃあ 傷は治したっていっても、あんな怪我してきたアンタに無理なんてさせられないでショ?
それともなぁに?もっと激しくして欲しかったのかしら?」
「それは勘弁じゃっ」

長い髪を白い肢体に絡みつかせた煽情的な格好のまま水を飲んでいた紫苑はトーゴを見下ろし、悪戯っぽく笑いながら近づいてきた様子に、トーゴはびくっと肩を震わせて。

「じょーだんよっ
あぁ…そうだ…アンタにあげようって思ったのがあったんだわ…」
「儂に?」

くすくす笑いながら、紫苑は思い出した箱を脱ぎ捨てていた服から取り出し、トーゴに差し出すと、慌ててベットに上に座りなおしたトーゴは驚きながら箱を受け取る。

「今 開けてえぇかの?」
「どーぞ?」

嬉しいのと驚きに、少年の様に瞳を輝かせながら紫苑を見るトーゴに、思わず再び襲いたくなる衝動に駆られつつ促す。

「これは…」
「最近 男性冒険者に流行ってるんですって…
ちょっと買ってみただけだから…アンタにあげるわ…」

細工された銀のフレームに収まる 紫苑の瞳の様なアメジストに、トーゴの首に合わせた黒い皮紐がついたネックレス。

「……に 似合うかの?」
「似合うに決まってるでしょ?アタシが選んだんだから…」

紫苑がそっぽを向いている間に、トーゴは自分の首に慣れない手つきでネックレスを着けてみせて、その姿に紫苑はどこか嬉しそうに妖艶に笑みを浮かべる。

(…思いの外…犬みたいだわ…)

黒い皮紐のせいか、首輪にも見えない事もなく、元々の顔が人懐っこい犬の様だからか、余計に似合う。

「今度は柴犬帽買ってきてあげるわ…」
「なんで柴犬帽なんじゃ?」
「だって 似合いそうだんだもの」
「そうかのぉ…?」

まじまじと見ていた紫苑の発言に、トーゴは首を傾げるが、それでも紫苑から初めて貰った物が余程嬉しいのか、指先でペンダントの石に触れて。

「…ずっとそれ しとくのよ?」
「当たり前じゃっ!」
「忘れずに着けときなさい…」

―アタシがこの世界からいなくなっても ずっと……―


けして、声に出して伝える事ない言葉を胸の内で呟き、愛らしく笑うトーゴの頬に指を伸ばして 紫苑はもう一度その唇に口づけた……











トーゴが紫苑の元に飛んだ直後のお話……




「ったく 相手倒していきなりいなくなるなよな…
この処理 どうすんだよ…全く…」


至る所が瓦礫と化した建物を見ながら、長身の女ハイプリ…もとい 女装したゴーストは深々とため息をつく。
教会幹部の女性聖職者を狙った事件の犯人を捕まえるべく、こうして女装までしていたが、結局その組織を物凄い勢いで見つけ出し、更に犯人と建物諸共吹き飛ばし(その他声を掛けてきた野郎共も巻き込んで)そのまま、ポタで消えてしまった相手に、ゴーストは思わず頭を抱える。

「仕方ねぇ…一人で処理するしかねぇか…」
「あれ…?ゴースト さん?」

覚悟を決めて顔を上げた瞬間、後ろから声が掛かり、びくっと顔を引き攣らせて降りかえると、そこにはイシュアが立って首を可愛らしく傾げていた。

「今日は…なんかの捜査 だったんですか?」
「あ…あぁ まぁ…そうだ…」
「……兄さんも女性ハイプリの格好した事ありますけど、ゴーストさんも似合いますねっ
凄く綺麗で可愛らしいですっ」

惚れている相手から、なんとも無邪気に褒められてしまったゴーストは、また更に頭を抱えてしまったという……

一番の災難だったゴーストであった……



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  • by 東雲
  • 2012/10/08(Mon)20:08
  • Edit
こんばんわ、東雲です。
こっちは思い付いた順にリクしているので、順番入れ替わっても全然大丈夫ですよ~v
紫苑が可愛いと思える日が来るとは思ってもみませんでした(爆)そして自分でリクしておいて、190cm超えて女装は無いよなぁ……と痛感。ゴースト、不幸体質だったのかwww 最後にイシュアに見られて普通に褒められているのが最高でした。
柴犬帽www 今回貰った首輪(チョーカー)と併せて想像すると似合い過ぎるなぁと思いつつ、トーゴは頭装備を付けない主義で通って来てるので装備するのか微妙ですね。紫苑から貰ったので人気が居ない所でこっそり装備して紫苑にバッチリ見られるという構図に一票!
乱文、失礼しました。
ほのぼの萌え充電、有難うございました~v

東雲様

  • by 月宮
  • 2012/10/09 16:30
私も 紫苑が可愛いとか思う日が来るとは思いませんでした(爆)
なんか書いてるうちに、恋するツンデレみたいになってきたという(笑)
その内、トーゴに抱かれたり、トーゴの胸元で泣いたりする事が…あるのかもしれない?
頑張れ トーゴ!w
チョーカーとかトーゴが着けたら首輪みたいだし、これで犬耳着けたら可愛いよな~ とか思ったら、絶対柴犬帽の方が似合うと思ったのでw
きっと 二人きりの時のみ、柴犬帽とか着けて なんかイヤンなプレイとかしてるとか(笑)
こっそり着けてる時に、ゴーストとかに見られたら それはそれで慌てそうで面白いかも とか想像してしまいました♪
ゴーストは なんか不幸体質な気がしましてw
(ある意味イシュアもですが…)こんなオチにしてしまいました☆
ごめんねっ ゴーストww
結局 ほのぼのちょっとだけシリアスになってしまいましたが、少しでも喜んで頂ければ幸いですw

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