もう どれくらいたったんだろう…?
一日なのか 数日なのか…
全く考えられない
ただ 何度となく自分の中に
沢山の男達を受け入れ
中にその精液を出された
そして何度となく自分の口の中に
精液を放たれ 飲み込んだ
それももう 何度だったのか記憶に無い
チャリ…
首には太い首輪が嵌められ鎖がベットに繋がっている
そんな物を着けなくても逃げられはしないのに…
体の傷は 情事が終わる度に誰かがヒールを掛けてくれて
大体治してくれる
でも もう なんの気力も残っていない…
指一本 動かす気力も無い
このまま おれはどうなってしまうのかな…
そう言えば オークションにかけるとか 言ってなかったっけ…
にいさん さいごに…あいたかった…
薄暗い 窓ひとつ無い部屋にある
大きなベットの上で
裸に首輪を着けられ鎖が繋がれている状態で
イシュアは体を横たえていた
その大きな瞳からは 何度となく零れ落ちた涙の跡が頬に残り
かつて澄んだ青色の瞳は すっかり光を無くし
虚ろに濁っており
無表情の顔で天井を見上げていたが
全く覇気は無く 死んでいるかの様にぴくりとも動く事なく
その腕には いくつかの注射針の跡が見えた
イシュアの意識はゆっくりと
闇の奥底へと落ちてゆく…
ただ その体を弄ばれる従順な性玩具奴隷へと…
「きゃぁっ!!」
プロンテラの路地から 微かな悲鳴が聞こえた気がした双月は
素早くその裏に身を翻す
そこには 黒い猫耳カチューシャを着けた
可愛らしいマーチャントがチェイサーの腕に抱き抱えられており
双月の姿を確認したチェイサーは攻撃をしかけようとした時
「石が落ちた「ストーン!」」
バリッ!と音を立てて その男の足元が氷付き
「くそっ なんだっ!」
「アローシャワー!」
「ぎゃあっ!!」
寒いジョークを言い放つと同時に矢で攻撃されたチェイサーは
そのまま壁へとぶち当たり
双月はひらりとその腕から気を失っているマーチャントを
奪ってしまうと 近くに置かれたカートも一緒に抱えると
そこから急いで離れて
「ふぅ…街中で堂々と…最近、遠慮が無くなってきたな…」
馴染みの酒場の店主の元を訪れ
そこの部屋に通して貰い
商人の少女をベットに寝かせて小さく息を吐く
ふと その少女の首にある首輪に気付き
知っているエンブレムに ふむと自分の顎に指を絡めてから
思いついた相手にWisを送る
『クラスター 元気にしてる~?』
間のびした声で その相手からの返事を待つ…
『数年ぶりにいきなりWis寄こしてきがやって
それかよ…』
クラスターを呼ばれた相手からの返事は酷く不機嫌で
そのいつもと変わらない様子に双月は笑みを浮かべる
『ねぇねぇ 君もしかして、可愛い猫耳商人レディに
手ぇ出したりしてる?』
『……なんで知ってるんだ…』
いきなり怒気が強くなる
『最近 1次職の子を狙ってる事件知ってるでしょ?
多分あの人達に狙われて 攫われる所に丁度遭遇してね…
で 今僕の所で寝てる』
『今 どこにいる…』
そんなやりとりから数分後
その相手はやってきた
巨体な体に ぼさぼさな感じの髪
凶悪な顔立ちのルーンナイト
クラスターだ
「みつき…」
「みつきちゃんって言うんだ?
…そっかそっか クラスター 君もいい具合に変わったねぇ」
「切るぞ…てめぇ」
ベットに眠るマーチャント…みつきの姿を見たクラスターは
ほっと小さく息を吐き出し名前を呟くのを聞いた双月は
自分の子供を褒める様に笑顔を浮かべて
満足そうに うんうんと頷き
クラスターは青筋を立てそうな勢いで睨みつけ
「まぁまぁ照れない 照れない
さて…クラスター?
君はこの写真のギルドを知ってるかな?」
狂犬と言われるクラスターに睨みつけられても
平然とした顔で笑いながら手をひらひらと揺らし
スッと真面目な顔に戻ると 懐から写真を出して見せて
「ぁん?…いや 見た事ねぇから、砦の攻防戦には参加してないのは
確かだな…」
「なるほど…じゃあ 大きなギルドでは無さそうだね…
新しいギルドか…」
「こいつはみつきを襲った奴か?」
「そうだよ~」
「…貸せっ」
その写真を覗き見たクラスターは少し考えてから答え
頷きながら 双月はその写真をもう一度見ながら考えるが
クラスターは写真を双月の手から奪い
「みつきを助けながら この写真も撮ったのか?」
「そりゃあねぇ…
伊達に長生きしてませんから コレ位の相手なら出来るよ~
じゃあ ココは任せたよ?
僕はもう一人 情報を持ってる人を尋ねてみるとしようかな…」
「こっちでも探してみるさ…
俺の所有物に手ぇ出した礼はきっちりしてやらねぇとなぁ」
へらへら笑いながら答えるバード 双月の
相変わらずな身体能力に さすがのクラスターも驚きながら
当の双月は何でも無い様子で答え
みつきを任せて もう一人の長年の旧友の元に行くと告げ
不吉な事を口にするクラスターに
双月は目を細め
とても嬉しそうな 父親の様な目を向けて
「相変わらず貴方は突然だな…」
「さっき クラスターにも言われたよ」
「そうか クラスターには会ったのか…
しかし本当に変わらないな…一体幾つになったんだ?」
「数えるの途中でわすれちゃったけど
多分君のお祖父さんよりは年上だと思うよ」
双月は今度は ある情報屋の元に来ていた
整った美しい顔立ちに 緩やかな金髪
その格好は聖職者の最高位 アークビショップの制服を着ている
突然現れた昔馴染みに その相手は面喰いながらも
部屋に迎い入れて 向かい会って話をしながら
出会った頃と変わらない姿に思わず歳を聞いてしまうが
双月はにこやかに笑うだけで
大した事でもない様に答える
「まぁ…それで 貴方が尋ねてくるって事は
ただ茶を飲みにきただけじゃないだろう?」
「うん 残念ながらねぇ~…
サンダルフォン…最近の一次職行方不明事件
君はどこまで知ってるかい?」
サンダルフォンと呼ばれたアクビは
唐突に切りだされた内容に 少しだけ目を見開き
目の前にある紅茶を一口飲んでから 軽く息を付き
「一体どうしたんだ?」
「ん~ クラスターの可愛い子…みつきちゃんが攫われる時に
丁度遭遇してね
勿論助け出したけど これから未来ある子供達が
こうやって無差別に攫われてるってのはなんかね…
それに…多分かなりの大きな貴族や裏の組織が絡んでるみたいだし
ちょっと 他にも気になる事があってね…」
「そうか……
そうだな…私も他から頼まれて調べてはいる所だが…
場所は特定出来てないが、ある組織や国が所有している
恐ろしい程に強い兵隊達がいるらしいんだが
それが殆ど1次職の子供達らしいと…
他に 闇で行われるオークションにそれらしい子供達が出されたり
闇市でばらされて売られてたりとかな…
まだ ちゃんと裏が取れていない
1次職を攫った奴らでも捕まえる事が出来ればいいんだが
これがまた 全く姿を見せ無くてな…」
「なるほどね…」
「で…双月
貴方の情報は?」
「ん?」
サンダルフォンからの情報を聞き
腕組をしながら 何かを考えている双月を静かに見据え
必ずそれに見合うだけの情報を持ってくる事が
分かっている為
自分が与えた分の情報料になりうる情報を求め
「まぁ 情報料になるか分かんないけど…
はい コレ」
「これは…」
差し出されたのは さっきクラスターに渡した写真の焼き回し…
しっかり顔とギルドのエンブレムが写った写真を渡され
サンダルフォンは目を見開く
「みつきちゃんを攫おうとした奴だよ
いやぁ 寒いジョークで凍ってくれてよかったよ~
さすがに 僕じゃあ転生2次職には勝てないからねぇ」
「よく撮れたな…」
「この人捕まえれば もう少し分かるんじゃないかな?
少し急がないと こうやっている間にも捕まって犠牲になってる
子達がいる訳だし…
だから頼むね?
早い事に越したことないし…
いつでも僕は動けるから また連絡頂戴?」
そう 人には無い 翡翠の様な瞳を細めて
サンダルフォンにお願いをすると
ソファから立ち上がり
「…双月
貴方はもうとっくに クラウン…いや ミンストレルにだってなれる
実力がある筈…
バードのなりはしているが、その力はかなりのものだ…
転生しないのか?」
帰ろうとする双月に いつまでたってもバードの姿でいる
双月に今までの疑問を投げかけると
双月はいつもの優しい笑みを浮かべて振り向き
「買被り過ぎだよ
それに 僕はただ 吟遊詩人として曲を弾き歌うだけでいいんだよ
僕が見てきた事を 今の君達に歌って聞かせるみたいにね?
それに…転生なんてしちゃったら
益々長生きになっちゃうじゃん」
楽しげに笑みを浮かべながら
サンダルフォンでさえ敵わない男 双月は軽く答え
そのまま部屋から出て行く…
もうすぐ 夜が明ける…
暗い暗い 混沌の闇の中にも…
[1回]
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COMMENT
No Title
さりげなくみつきもいるしw
ありがとうございます。みんな素敵に書いていただき嬉しいです(/ω\*)
双月さんのジョークに笑ったのは内緒です。ストーンwwww
それにしてもイシュア君が!!可愛い可愛いイシュアくんが・・・。・(ノд`。)゜・。
早く誰か助けてあげてください><
もちきん様
双月と絡ませるのが楽しかったですw
きっとこの二人なら、紫苑とも知り合いだと思っているので、どこかで絡ませたいなぁ…
双月は 絶対に寒いジョークとか使うだろうと思って、どれを言わせようかとセリフ集とか見てたら、きっとこれよく使ってそうだと…なんせ 見た目若いけど中身は結構なじーさんだし(笑)
笑って頂けたら嬉しいですw
イシュアは もうちょっとあのままかな?(酷い母親だ…)でも、多分無事に救い出される筈なので 大丈夫です!多分…(ぁ
これからも宜しくお願い致します☆